映画「先生の白い噓」監督らが謝罪 インタビューの発言巡り批判

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 映画「先生の白い噓」の公開初日舞台あいさつが5日、東京都内であった。三木康一郎監督のインタビュー記事中の発言をめぐり、インターネット上で批判の声が相次いだことを受け、三木監督やプロデューサーらが謝罪した。

 同作は、鳥飼茜さんの漫画が原作。性暴力のトラウマに苦しむ高校教師の女性が主人公で、俳優の奈緒さんが主演した。

 批判が相次いだのは、4日にネットメディアが掲載した三木監督のインタビュー記事。性的なシーンがあるため、奈緒さんが、ヌードやラブシーンなどの撮影をサポートする専門職「インティマシー・コーディネーター」を起用するよう要望したが、監督が断ったことを伝える内容だった。

 インティマシー・コーディネーターは、撮影現場で演じる側と演出する側の意向を確認し、両者が最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を調整する役割があり、米国のハリウッドを中心に起用が進んでいる。

 この日の舞台あいさつの冒頭、稲垣竜一郎プロデューサーが「製作陣一同、配慮が十分でなかったことに対し、深く反省をしております」などと謝罪。三木監督は「私の不用意な発言により、みなさまに多大なるご迷惑、ご心配をおかけしたことをこの場を借り��謝罪したい」と頭を下げた。

 奈緒さんは「現場に対して不十分だと思う部分が正直ありました」とした上で、「みなさんを不安な思いにさせるようなことを招いてしまったと、自分のこととして深く反省しています」「私は大丈夫です」と語った。

 製作委員会には松竹と朝日新聞社が入っている。

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    松谷創一郎
    (ジャーナリスト)
    2024年7月6日7時37分 投稿
    【視点】

    この映画の原作である鳥飼茜さんのマンガは、性暴力を題材に男女の非対称性をテーマとした非常にシリアスな作品です。その映画化においてこのような問題が生じたことを、映画業界は重大に捉えなければならないでしょう。この作品の製作・配給に携わった大手映

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    富永京子
    (立命館大学准教授=社会運動論)
    2024年7月6日8時19分 投稿
    【視点】

    「先生の白い嘘」の原作そのものが性暴力・男性からの女性への暴力を数多く描写しており、特に主人公が凄惨な暴力を受ける後半���思わず目を伏せてしまうほどのものです。奈緒さんがインティマシー・コーディネーターを必要としたのも十分すぎるほど理解できま

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