熱狂と批判を生むブレイキングダウン 相次ぐ逮捕者、運営側の思いは

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佐藤祐生
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 試合は1分間1ラウンド制の超短期決戦――。プロの格闘家に加え、喧嘩(けんか)師や元暴走族総長を名乗る素人の腕自慢らが集う格闘技イベント「Breaking(ブレイキング)Down(ダウン)」が、若年層を中心に熱狂を生んでいる。一方で、過去に出場した選手が相次いで逮捕されるなどし、批判の声も少なくない。

 運営側はどのように考えているのか。最高執行責任者(COO)の溝口勇児さん(39)に聞いた。

 ――2021年に始まったBreakingDown。第4回の興行から導入された選手オーディションでの参加者同士のあおり合いが注目を集め、人気に火をつけました。

 「前に(インターネットテレビ「ABEMA」の)『朝倉未来に勝ったら1千万円』という企画が注目を集め、無名から大きく知名度を高めた選手がいました。その成功体験を一つのヒントにし、最高経営責任者(CEO)を務める総合格闘家の朝倉未来君と一緒にBreakingDownのオーディションの形にしていきました」

 「あおり合いは、自然に発生しました。僕たちが指示しているわけではありません。そこで起きるドラマや因縁がBreakingDownの良さだと思うので、必要以上に介入することはないですね」

 ――第3回までの興行に比べて、反響が大きかったですか。

 「第3回までは赤字でした。第4回以降は順調で、売り上げは一番悪い時と比べると、一番良い時で100倍ぐらいになったんじゃないですか」

 「オーディションだけでなく、独自の動画配信プラットフォームや公式アプリも開発しました。あとは、会場最前列のチケットを100万円や50万円にして『リアルはプレミアムなもの』と設定するなど、いろいろな試みが功を奏しました」

 ――収益のなかでは、配信番組ごとに視聴料を支払うペイ・パー・ビュー(PPV)の売り上げが一番でしょうか。

 「一番大きいですね。格闘技団体にはあまりいないと思いますが、僕がCEOを務めるBreakingDownの運営会社BACKSTAGEはテクノロジー企業なのでエンジニアがいて、動画配信プラットフォームを独自開発することができました。自分たちの元に顧客データが集まりますから、そのデータを次の興行や今後の展開に生かすことができます」

 「あとは、全国のゲームセンターに置かれているBreakingDownのパンチングマシンも利用者が増えるたびに収入になるので大きいですね」

 ――人気が高まる一方、過去に出場した選手が相次いで逮捕される事態も起き、批判も集めています。

 「そもそもBreaking…

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