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UAIセミナー
『Webアクセシビリティ@名古屋』
  WCAG 2.0最新情報



         梅垣 正宏
    ume [at] st.rim.or.jp
WCAG 2.0
外堀をうめる
WCAG2.0
• Web Content Accessibility Guidelines
  2.0 W3C Candidate Recommendation
  30 April 2008
  – http://www.w3.org/TR/WCAG20/
• 差分がわかるもの
  – http://www.w3.org/TR/WCAG20/Overview
    -diff.html
Essential Components of Web Accessibility




   http://www.w3.org/WAI/intro/components
WCAG2.0の状態
• Candidate Recommendation(勧告候補)
• 12月11日のLast Call Working Draft への約400件の
  コメントを反映した
• 多くの修正は本質的なものではなかった
• 若干の本質的な変更には、quot;at riskquot; と明記され、もっとレ
  ビューが必要
• 多くの修正は、informative(参考)なドキュメントに取り入
  れられている。UnderstandingとTechniques
• 最初のWCAG2.0WDは2001年1月25日に出て、3000
  以上の課題に取り組んできた。
• 多くのドキュメントも開発した。すでに実装可能な段階に
  なっている
W3Cの勧告化プロセス
1. 草案(Working Draft)
2. 最終草案(Last Call Working Draft)
3. 勧告候補(Candidate Recommendation)
 –   実装して確認する
4. 勧告案(Proposed Recommendation)
 •   少なくとも4週間のレビュー
5. 勧告(Recommendation)
Exit Criteria (PRに進むための条件)
1. 少なくとも10のウェブサイトで、適合すること
  –   少なくとも、4つのサイトがレベルAに適合
  –   少なくとも、4つのサイトがレベルAAに適合
  –   少なくとも、2つのサイトがレベルAAに適合
2. 少なくとも1つのサイトで、部分的な適合宣言を行える
3. 各達成基準に対して各々少なくとも2つの実装が存在する
4. 「アクセシビリティ・サポート」文書が4つのプラット
   フォーム(OS/UA/ATの組み合わせで)において、少なくと
   も2つの技術に対して存在する
5. この段階の最後で、Understanding 文書にすべての
   sufficient techniques(十分なテクニック)のテスト方法
   が記述される
6. 実装テストで提起されたすべての問題に回答できている

これらの条件が整えば、Proposed Recommendation へ
スケジュール
• すでに実装テストは始まっている
• 最初の実装結果は2008年6月30日まで
• 8月31日にはこれらの6つの条件をクリア
  して Proposed Candidate に進む
• ということは、最も早くて10月・・・しか
  し・・・議論が起こるだろうから・・・お
  そらく年明け~春にREC
Items at Risk
    (変更の可能性のある項目)
• WCAG 2.0CRで実装できることを示さなけ
  れば、変更または、削除される項目
 – 変更
 – 変更か他の文書に移動
 – 他の文書に移動
• ということは、これらの項目に意見を述べ
  た人たちは一生懸命実装しないと削除の危
  険がある→つまり、実装を通して議論した
  ことを確認するプロセスを踏む
WCAG 2.0
  本丸
開発目標は何だったか?
Requirements for WCAG 2.0
1. 横断的に技術に対応する
2. 要求事項が明確なこと
3. 使いやすいこと
4. より多様な読者を対象にすること
5. 誰が恩恵を得られるかを明確にする
6. 過去にも未来にも互換性があること
WCAG2.0のポイント
• 基本的には、WCAG 1.0 と互換
 – ということは、X8341-3 とも原則互換
• 技術非依存
 – 人と機械のインタラクションにおける認知・操作プロセスに基づい
   て記述
• 認知・言語の問題が充実
 – 認知障害にも一定の配慮
• 新しい技術、W3C以外の技術にも適用可能
 – FLASHやPDFなども対象
 – Webアプリケーション(WAI-ARIA)も対象
   (ほとんどソフトウェアインタフェースのガイドラインのよう)
• テスタブル
 – 数値、テスト方法を明確化
• 国際化
 – 世界の国との間で協調作業が進む
 – 各国の支援技術開発水準の違いを吸収
   Accessibility Supported Technologies
Accessibility Supported
     Technologiesとは?
• WCAG2.0は多様な環境で適合評価するこ
  とを目指している。
 – たとえば、新しいWeb技術として”YACK”とい
   う技術を使いたい
 – “YACK” が支援技術でサポートされていないと、
   うまくいかない
• 技術に支援技術が対応しているかどうかを
  整理した概念
Layers of Guideline
         ガイドラインの階層構造
•   Principles (原則)
•   Guidelines (ガイドライン)
•   Success Criteria (達成基準)
•   Sufficient and Advisory Techniques
    (有効かつ有用なテクニック)

• ただし、最上位レベルAAAを獲得しても、個々の
  障害とその組み合わせで使えることを保証してい
  ない。特に、言語と学習の分野。
Support Documents
           支援文書
• Overview of WCAG 2.0 Documents
 – 全体をざっと知る
• WCAG2.0 Quick Reference
 – 机上に置いておくリファレンス
• Understanding WCAG2.0
 – 理解を助ける文書
• Techniques for WCAG2.0
 – 適用可能なテクニック集
適合宣言
• 適合レベル (A,AA,AAA)
• 該当する達成基準に合致していること
 – Ex) レベルAA=AとAAの基準を満足する
• ページの一部だけというのはできない
• 一連のプロセスがあるページ群(フォームなど)
  はそのプロセスで全部満たす
• Accessibility-supported な技術で満たせばよい
• 満たせない技術を使っていても、代わりの方法な
  どが提供されていて、「邪魔しない」こと
4原則
Principle 1: Perceivable - Information and user
  interface components must be presentable to
  users in ways they can perceive

Principle 2: Operable - User interface components
  and navigation must be operable

Principle 3: Understandable - Information and the
  operation of user interface must be
  understandable

Principle 4: Robust - Content must be robust enough
  that it can be interpreted reliably by a wide variety
  of user agents, including assistive technologies
4原則
原則 1:知覚可能 - 情報およびユーザインターフェースの構
 成要素は、ユーザが知覚できる形態でユーザーに提供可能
 でなければならない。

原則 2:操作可能 - ユーザインターフェースの構成要素およ
 びナビゲーションは操作可能でなければならない。

原則 3:理解可能 - 情報およびユーザインターフェースの操
 作は理解可能でなければならない。

原則 4:互換性:コンテンツは支援技術を含むさまざまな
 ユーザエージェントが確実に解釈できるように十分な互換
 性を確保しなければならない。
ガイドライン(12項目)
1 Perceivable
 1.1 Provide text alternatives for any non-text content so that it
  can be changed into other forms people need, such as large print,
  braille, speech, symbols or simpler language
 1.2 Provide synchronized alternatives for synchronized time-based
  media
 1.3 Create content that can be presented in different ways (for
  example simpler layout ) without losing information or structure
 1.4 Make it easier for users to see and hear content including
  separating foreground from background
2 Operable
 2.1 Make all functionality available from a keyboard
 2.2 Provide users with disabilities enough time to read and use
  content
 2.3 Do not design content in a way that is known to cause seizures
 2.4 Provide ways to help users with disabilities navigate, find
  content and determine where they are
3 Understandable
 3.1 Make text content readable and understandable
 3.2 Make Web pages appear and operate in predictable ways
 3.3 Help users avoid and correct mistakes
ガイドライン(12項目)                続き

4 Robust
  4.1 Maximize compatibility with current and future
    user agents, including assistive technologies
達成基準
• 各ガイドラインに対して、レベル分けした
  達成基準(Success Criteria)がある。
• レベルAだけを実施する場合は、レベルAの
  達成基準だけを満たせばよい
• 達成基準は「テスト可能」な記述(しかし、
  技術非依存)
Guideline 1.1 Text Alternatives
Guideline 2.1 Keyboard Accessible
改良・変更点        (タイムドメディアGL1.2)

• 1.2.6 Sign Language (AAA)
  – 手話が盛り込まれた
• 字幕は「録音されたもの」はレベルA、「ラ
  イブビデオ」はレベルAAと、区別された
• 音声解説(オーディオディスクリプション)は、
  一般の音声解説(レベルA)と拡張音声解説(レ
  ベルAA)に分けられた
改良・変更点 (前景背景分離 GL1.4)
• 輝度コントラスト比の式が新しくなった
 – テキストと画像化テキストが対象
 – 最低基準(AA)
   1:5が新基準(大きい文字は、1:3)
 – 先進基準(AAA)
   1:7が新基準(大きい文字は、1:5)
 – ただし、ロゴマークなどは対象外
• 支援技術を使わなくても、200%まで拡大
  可能
• 音のコントラスト比も20dBと定義
改良・変更点 (時間の制約 GL2.2)
• 2.2.1 時間調整
  – 時間制限を解除 or
  – 一つの操作に20秒以上の余裕 and 10回以上の
    時間延長
  – 時間制限は20時間以内
• 2.2.2 Pause, Stop, Hide
  – 5秒以上動くもの、ページ更新
  – ただし、例外も書いてある
改良・変更点 (ナビゲーション GL2.4)

• 2.4.1 Bypass Blocks
  – スキップリンク、目次など
• 2.4.3 Focus Order
  – フォーカスの順序が意味や操作に影響を与える
    ときは、それが変わらないようにする
• 2.4.7 Focus Visible
  – キーボードフォーカスが見えること
改良・変更点 (読みやすさ GL3.1)
• 3.1.3 Unusual Words (AAA)
• 3.1.5 Reading Level(AAA)
  – 中等教育(中学生レベル?)以上の能力を要求
    しない
• 3.1.6 Pronunciation (AAA)
  – 発音(ルビ)を付ける
改良・変更点 (エラー GL3.3)
• 3.3.1 Error Identification(A)
  – エラーが起きたらテキストで表示して分かるよ
    うにする
• 3.3.4 Error Prevention (Legal,
  Financial, Data)
  – エラーが起きないようにする
まとめ
まとめ
• ガイドラインの数は減ったが、内容は大幅
  に増加した。しかし、基準が明確なものが
  多く「やるべきこと」はわかりやすくなっ
  た。
• 人間の特性、ヒューマンインタフェースと
  いった視点で書かれているので、そういっ
  た知識がより一層重要になった。
評価手法のザワザワ
• WCAG 2.0 の適合評価は十分でないという主張も
  ある
 – ガイドラインや達成基準は国際化されても、適合性は国
   ごとになる??
• UWEM1.2 (Unified Web Evaluation
  Methodology) では、統計的サンプリングで評価
  する手法を定義されている
 – WCAG2.0で欧州は評価手法、評価のフレームワークを
   独自に進める可能性も
• リハ法508条では、VPAT (Voluntary Product
  Accessibility Template)
これからやるべきことは?
• WCAG 2.0CRを読みましょう
 – 日本規格協会INSTACで翻訳予定
• 実装してみましょう
 – 実装の結果、問題があればレポートして!
• そして、JIS X8341-3改定に備えましょう
おわり
Complex

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  • 5. WCAG2.0の状態 • Candidate Recommendation(勧告候補) • 12月11日のLast Call Working Draft への約400件の コメントを反映した • 多くの修正は本質的なものではなかった • 若干の本質的な変更には、quot;at riskquot; と明記され、もっとレ ビューが必要 • 多くの修正は、informative(参考)なドキュメントに取り入 れられている。UnderstandingとTechniques • 最初のWCAG2.0WDは2001年1月25日に出て、3000 以上の課題に取り組んできた。 • 多くのドキュメントも開発した。すでに実装可能な段階に なっている
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  • 8. スケジュール • すでに実装テストは始まっている • 最初の実装結果は2008年6月30日まで • 8月31日にはこれらの6つの条件をクリア して Proposed Candidate に進む • ということは、最も早くて10月・・・しか し・・・議論が起こるだろうから・・・お そらく年明け~春にREC
  • 9. Items at Risk (変更の可能性のある項目) • WCAG 2.0CRで実装できることを示さなけ れば、変更または、削除される項目 – 変更 – 変更か他の文書に移動 – 他の文書に移動 • ということは、これらの項目に意見を述べ た人たちは一生懸命実装しないと削除の危 険がある→つまり、実装を通して議論した ことを確認するプロセスを踏む
  • 10. WCAG 2.0 本丸
  • 11. 開発目標は何だったか? Requirements for WCAG 2.0 1. 横断的に技術に対応する 2. 要求事項が明確なこと 3. 使いやすいこと 4. より多様な読者を対象にすること 5. 誰が恩恵を得られるかを明確にする 6. 過去にも未来にも互換性があること
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  • 13. Accessibility Supported Technologiesとは? • WCAG2.0は多様な環境で適合評価するこ とを目指している。 – たとえば、新しいWeb技術として”YACK”とい う技術を使いたい – “YACK” が支援技術でサポートされていないと、 うまくいかない • 技術に支援技術が対応しているかどうかを 整理した概念
  • 14. Layers of Guideline ガイドラインの階層構造 • Principles (原則) • Guidelines (ガイドライン) • Success Criteria (達成基準) • Sufficient and Advisory Techniques (有効かつ有用なテクニック) • ただし、最上位レベルAAAを獲得しても、個々の 障害とその組み合わせで使えることを保証してい ない。特に、言語と学習の分野。
  • 15. Support Documents 支援文書 • Overview of WCAG 2.0 Documents – 全体をざっと知る • WCAG2.0 Quick Reference – 机上に置いておくリファレンス • Understanding WCAG2.0 – 理解を助ける文書 • Techniques for WCAG2.0 – 適用可能なテクニック集
  • 16. 適合宣言 • 適合レベル (A,AA,AAA) • 該当する達成基準に合致していること – Ex) レベルAA=AとAAの基準を満足する • ページの一部だけというのはできない • 一連のプロセスがあるページ群(フォームなど) はそのプロセスで全部満たす • Accessibility-supported な技術で満たせばよい • 満たせない技術を使っていても、代わりの方法な どが提供されていて、「邪魔しない」こと
  • 17. 4原則 Principle 1: Perceivable - Information and user interface components must be presentable to users in ways they can perceive Principle 2: Operable - User interface components and navigation must be operable Principle 3: Understandable - Information and the operation of user interface must be understandable Principle 4: Robust - Content must be robust enough that it can be interpreted reliably by a wide variety of user agents, including assistive technologies
  • 18. 4原則 原則 1:知覚可能 - 情報およびユーザインターフェースの構 成要素は、ユーザが知覚できる形態でユーザーに提供可能 でなければならない。 原則 2:操作可能 - ユーザインターフェースの構成要素およ びナビゲーションは操作可能でなければならない。 原則 3:理解可能 - 情報およびユーザインターフェースの操 作は理解可能でなければならない。 原則 4:互換性:コンテンツは支援技術を含むさまざまな ユーザエージェントが確実に解釈できるように十分な互換 性を確保しなければならない。
  • 19. ガイドライン(12項目) 1 Perceivable 1.1 Provide text alternatives for any non-text content so that it can be changed into other forms people need, such as large print, braille, speech, symbols or simpler language 1.2 Provide synchronized alternatives for synchronized time-based media 1.3 Create content that can be presented in different ways (for example simpler layout ) without losing information or structure 1.4 Make it easier for users to see and hear content including separating foreground from background 2 Operable 2.1 Make all functionality available from a keyboard 2.2 Provide users with disabilities enough time to read and use content 2.3 Do not design content in a way that is known to cause seizures 2.4 Provide ways to help users with disabilities navigate, find content and determine where they are 3 Understandable 3.1 Make text content readable and understandable 3.2 Make Web pages appear and operate in predictable ways 3.3 Help users avoid and correct mistakes
  • 20. ガイドライン(12項目) 続き 4 Robust 4.1 Maximize compatibility with current and future user agents, including assistive technologies
  • 21. 達成基準 • 各ガイドラインに対して、レベル分けした 達成基準(Success Criteria)がある。 • レベルAだけを実施する場合は、レベルAの 達成基準だけを満たせばよい • 達成基準は「テスト可能」な記述(しかし、 技術非依存)
  • 22. Guideline 1.1 Text Alternatives
  • 24. 改良・変更点 (タイムドメディアGL1.2) • 1.2.6 Sign Language (AAA) – 手話が盛り込まれた • 字幕は「録音されたもの」はレベルA、「ラ イブビデオ」はレベルAAと、区別された • 音声解説(オーディオディスクリプション)は、 一般の音声解説(レベルA)と拡張音声解説(レ ベルAA)に分けられた
  • 25. 改良・変更点 (前景背景分離 GL1.4) • 輝度コントラスト比の式が新しくなった – テキストと画像化テキストが対象 – 最低基準(AA) 1:5が新基準(大きい文字は、1:3) – 先進基準(AAA) 1:7が新基準(大きい文字は、1:5) – ただし、ロゴマークなどは対象外 • 支援技術を使わなくても、200%まで拡大 可能 • 音のコントラスト比も20dBと定義
  • 26. 改良・変更点 (時間の制約 GL2.2) • 2.2.1 時間調整 – 時間制限を解除 or – 一つの操作に20秒以上の余裕 and 10回以上の 時間延長 – 時間制限は20時間以内 • 2.2.2 Pause, Stop, Hide – 5秒以上動くもの、ページ更新 – ただし、例外も書いてある
  • 27. 改良・変更点 (ナビゲーション GL2.4) • 2.4.1 Bypass Blocks – スキップリンク、目次など • 2.4.3 Focus Order – フォーカスの順序が意味や操作に影響を与える ときは、それが変わらないようにする • 2.4.7 Focus Visible – キーボードフォーカスが見えること
  • 28. 改良・変更点 (読みやすさ GL3.1) • 3.1.3 Unusual Words (AAA) • 3.1.5 Reading Level(AAA) – 中等教育(中学生レベル?)以上の能力を要求 しない • 3.1.6 Pronunciation (AAA) – 発音(ルビ)を付ける
  • 29. 改良・変更点 (エラー GL3.3) • 3.3.1 Error Identification(A) – エラーが起きたらテキストで表示して分かるよ うにする • 3.3.4 Error Prevention (Legal, Financial, Data) – エラーが起きないようにする
  • 31. まとめ • ガイドラインの数は減ったが、内容は大幅 に増加した。しかし、基準が明確なものが 多く「やるべきこと」はわかりやすくなっ た。 • 人間の特性、ヒューマンインタフェースと いった視点で書かれているので、そういっ た知識がより一層重要になった。
  • 32. 評価手法のザワザワ • WCAG 2.0 の適合評価は十分でないという主張も ある – ガイドラインや達成基準は国際化されても、適合性は国 ごとになる?? • UWEM1.2 (Unified Web Evaluation Methodology) では、統計的サンプリングで評価 する手法を定義されている – WCAG2.0で欧州は評価手法、評価のフレームワークを 独自に進める可能性も • リハ法508条では、VPAT (Voluntary Product Accessibility Template)
  • 33. これからやるべきことは? • WCAG 2.0CRを読みましょう – 日本規格協会INSTACで翻訳予定 • 実装してみましょう – 実装の結果、問題があればレポートして! • そして、JIS X8341-3改定に備えましょう