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2021年11月25日
株式会社NTTデータ
清水 俊平
ブロックチェーン間のインターオペラビリティ概論
Hyperledger Tokyo Meetup
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NTTデータの取り組み
© 2021 NTT DATA Corporation 3
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NTTデータのブロックチェーンの取り組み
グローバル横断で最先端技術の知見を蓄積
Agile/DevOps
AI
Blockchain
Digital Design Intelligent Automation
IoT Software
Engineering
Automation
ビジネス機会創出 ナレッジ共有
グローバル
コラボレーション
技術整備 人材育成
Blockchain CoE
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Singapore
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Colombia
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Germany
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Denmark
Austria
Blockchain CoEの推進体制
25か国、500名超 各国の多様な価値
社会インフラ
新しい技術を用いた
社会実装力
Hyperledger Project
Enterprise Ethereum Alliance
ISO
SEMI
LACChain
INATBA
BASE
ARASTRIA
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NTTデータの代表的な事例
Spunta:
銀行間照合業務
KayTrust:
デジタルID
TradeWaltz:
貿易プラットフォーム
BlockTrace® :
鮮魚トレーサビリティ
欧州地銀:
国際送金プラットフォーム
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BlockTrace® : ブロックチェーン技術の特性を活かしたDXソリューション
社会課題や業界課題をそれぞれを繋ぐことで課題を解決する
Solution
課題解決/価値創造ソリューション
Platform
BlockTrace® データ管理プラットフォーム
BlockTrace®
for
Cold Chain
BlockTrace®
for
Supply Chain
BlockTrace®
for
Security Token
BlockTrace®
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Coming Soon・・
https://www.nttdata.com/jp/ja/news/services_info/2021/031600/
原産地証明や
透明な流通経路
食の
ブランディング
NTT研究所 インド、中国などのデリバリー体制
新たな
金融商品の流通
大規模P2P
データ管理機構
マルチ
ブロックチェーン
技術パートナー
との
エコシステム形成
Green※
(CO2、バッテリー)
NFT※
(デジタルコンテンツ)
※対応予定
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インターオペラビリティ(相互運用性)
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インターオペラビリティ(相互運用性)の定義
言葉の定義を確認すると、
■IEEE
2つかそれ以上のシステムまたはコンポーネントが情報交換でき、また交換した情報を使用できる能力
■IT用語辞典 e-words
複数の異なるものを接続したり組み合わせて使用したときに、きちんと全体として正しく動作すること。
また、その度合い。
似ている言葉として相互接続性があり、これは異なるシステムを接続して通信が成立することを意味する
相互接続性を実現した上で、異なるシステムや組織が一緒にな��て業務を遂行する状態
https://e-words.jp/w/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%AA%E3%83%9A%E3%83%A9%E3%83%93%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3.html
https://news.mynavi.jp/article/military_it-75/
相互運用性は
もう一つ上のレイヤ
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ブロックチェーンのインターオペラビリティの本質
異なるブロックチェーンが相互に接続するだけでなく、相互「運用」することが本質である。
例:
あるブロックチェーンAのStateをブロックチェーンBに伝達して、ブロックチェーンBがスマートコントラクト
を執行する
⇒ ブロックチェーンA(貿易書類業務)の進行状況に応じて、ブロックチェーンBが保険機能を有する
スマートコントラクトを執行する
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インターオペラビリティ(相互運用性):価値の同時交換
ブロックチェーンを使った様々なサービスが商用フェーズに移行しつつある。 台帳間連携技術により、
「デジタル資産(Asset)」と「暗号資産(Token)」の同時交換を実現する
暗号資産(Token)
仮想通貨
ステーブル
コイン
セキュリティ
トークン
デジタル資産(Asset)
台帳間
連携技術
モノの移転 資産の移転
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インターオペラビリティによる新しい価値創出
モノや通貨を改ざんされない、信頼できるプラットフォーム上で、 「モノの移転」と「価値の移転」を同
時に実現することで、新しい価値を提供する。
サービス提供者
仲介業者
¥
消費者
モノ
店舗・輸送等による受け渡し
モノの移転
法定通貨・ポイントによる決済
銀行・ECサイトによる仲介・信用担保
価値の移転
¥とモノのプラットフォームが異なるため、
仲介業者などが存在し非効率なタイムラグ
仲介業者
トークン(暗号資産等)
アセット(所有権利)
サービス提供者 消費者
モノや¥を改ざんされない、信頼できるプラットフォーム上で、 「モノの移
転」と「価値の移転」を同時に実現する
モノの移転・価値の移転
提供価値
 仲介業者が不要(時間の短縮化)
 債務不履行がなくなる(リスクの極小化)
 リスクプレミアムが不要(決済手数料の格安化)
 所有権移転の明確化(法的な紛争減少)
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ユースケース(NFT):「モノの移転」と「価値の移転」の統合
デジタルアート作品の権利購入を、暗号資産で支払いする
仮想通貨
(Bitcoin)
法定通貨/
ステーブルコイン
暗号資産/
セキュリティトークン
インターオペラビリティ
ブロックチェーンネットワーク
決済プラットフォーム
クリエーター
購入者
デジタル通貨・暗号資産
NFTプラットフォーム
作品所有権
デジタルアート作品 デジタルアート作品
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Atomic Swapにおける課題:トリレンマ
「モノの移転」と「資産の移転」 を実現を考えたときに下記3つを同時に実現することが難しい
(2) 秘密鍵を
クライアントが管理
(3) ���動実行
(取引中の操作不要)
(1) 異なる
ブロックチェーン
基盤
A C
B
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さいごに
ブロックチェーンのインターオペラビリティ(相互運用性)の将来性として、確実に技術として発展
していくと考える。
一方、個別のブロックチェーンとしてもまだ発展途上であり、相互運用性がまさに必要とされる
ユースケースが少ないことも事実である。これは、ブロックチェーンのインターオペラビリティで実現さ
れる価値自体が既存のものを置き換えるものではなく、新たな価値創出になるからだと考える。
各ブロックチェーンが個別最適で構築、運用されている状態に対する一つの解であることは確
実であり、注目していく必要がある。
?
どのような世界が求められるか
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BlockTrace® はNTTデータの登録商標です。
本資料に掲載の会社名、製品名、サービス名は、それぞれ各社の登録商標です。

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  • 2. © 2021 NTT DATA Corporation NTTデータの取り組み
  • 3. © 2021 NTT DATA Corporation 3 3 3 © 2021 NTT DATA Corporation NTTデータのブロックチェーンの取り組み グローバル横断で最先端技術の知見を蓄積 Agile/DevOps AI Blockchain Digital Design Intelligent Automation IoT Software Engineering Automation ビジネス機会創出 ナレッジ共有 グローバル コラボレーション 技術整備 人材育成 Blockchain CoE
  • 4. © 2021 NTT DATA Corporation 4 4 © 2021 NTT DATA Corporation Singapore Japan India USA Peru Australia China Philippines Thailand Brazil Canada Argentina Chile Colombia Portugal UK Romania France Spain Germany Italy Netherland Denmark Austria Blockchain CoEの推進体制 25か国、500名超 各国の多様な価値 社会インフラ 新しい技術を用いた 社会実装力 Hyperledger Project Enterprise Ethereum Alliance ISO SEMI LACChain INATBA BASE ARASTRIA
  • 5. © 2021 NTT DATA Corporation 5 5 5 © 2021 NTT DATA Corporation NTTデータの代表的な事例 Spunta: 銀行間照合業務 KayTrust: デジタルID TradeWaltz: 貿易プラットフォーム BlockTrace® : 鮮魚トレーサビリティ 欧州地銀: 国際送金プラットフォーム
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  • 7. © 2021 NTT DATA Corporation 7 インターオペラビリティ(相互運用性)
  • 8. © 2021 NTT DATA Corporation 8 インターオペラビリティ(相互運用性)の定義 言葉の定義を確認すると、 ■IEEE 2つかそれ以上のシステムまたはコンポーネントが情報交換でき、また交換した情報を使用できる能力 ■IT用語辞典 e-words 複数の異なるものを接続したり組み合わせて使用したときに、きちんと全体として正しく動作すること。 また、その度合い。 似ている言葉として相互接続性があり、これは異なるシステムを接続して通信が成立することを意味する 相互接続性を実現した上で、異なるシステムや組織が一緒になって業務を遂行する状態 https://e-words.jp/w/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%AA%E3%83%9A%E3%83%A9%E3%83%93%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3.html https://news.mynavi.jp/article/military_it-75/ 相互運用性は もう一つ上のレイヤ
  • 9. © 2021 NTT DATA Corporation 9 ブロックチェーンのインターオペラビリティの本質 異なるブロックチェーンが相互に接続するだけでなく、相互「運用」することが本質である。 例: あるブロックチェーンAのStateをブロックチェーンBに伝達して、ブロックチェーンBがスマートコントラクト を執行する ⇒ ブロックチェーンA(貿易書類業務)の進行状況に応じて、ブロックチェーンBが保険機能を有する スマートコントラクトを執行する
  • 10. © 2021 NTT DATA Corporation 10 インターオペラビリティ(相互運用性):価値の同時交換 ブロックチェーンを使った様々なサービスが商用フェーズに移行しつつある。 台帳間連携技術により、 「デジタル資産(Asset)」と「暗号資産(Token)」の同時交換を実現する 暗号資産(Token) 仮想通貨 ステーブル コイン セキュリティ トークン デジタル資産(Asset) 台帳間 連携技術 モノの移転 資産の移転
  • 11. © 2021 NTT DATA Corporation 11 インターオペラビリティによる新しい価値創出 モノや通貨を改ざんされない、信頼できるプラットフォーム上で、 「モノの移転」と「価値の移転」を同 時に実現することで、新しい価値を提供する。 サービス提供者 仲介業者 ¥ 消費者 モノ 店舗・輸送等による受け渡し モノの移転 法定通貨・ポイントによる決済 銀行・ECサイトによる仲介・信用担保 価値の移転 ¥とモノのプラットフォームが異なるため、 仲介業者などが存在し非効率なタイムラグ 仲介業者 トークン(暗号資産等) アセット(所有権利) サービス提供者 消費者 モノや¥を改ざんされない、信頼できるプラットフォーム上で、 「モノの移 転」と「価値の移転」を同時に実現する モノの移転・価値の移転 提供価値  仲介業者が不要(時間の短縮化)  債務不履行がなくなる(リスクの極小化)  リスクプレミアムが不要(決済手数料の格安化)  所有権移転の明確化(法的な紛争減少)
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  • 14. © 2021 NTT DATA Corporation 14 さいごに ブロックチェーンのインターオペラビリティ(相互運用性)の将来性として、確実に技術として発展 していくと考える。 一方、個別のブロックチェーンとしてもまだ発展途上であり、相互運用性がまさに必要とされる ユースケースが少ないことも事実である。これは、ブロックチェーンのインターオペラビリティで実現さ れる価値自体が既存のものを置き換えるものではなく、新たな価値創出になるからだと考える。 各ブロックチェーンが個別最適で構築、運用されている状態に対する一つの解であることは確 実であり、注目していく必要がある。 ? どのような世界が求められるか
  • 15. © 2021 NTT DATA Corporation BlockTrace® はNTTデータの登録商標です。 本資料に掲載の会社名、製品名、サービス名は、それぞれ各社の登録商標です。