グローバルヘルスやジェンダー問題、人権問題や食料不安。世界にも、日本にも、これらの課題を解決すべく活動している人がいます。NGOをはじめとする「現場で働く人」をゲストに迎えるポッドキャスト「地球で働く!」。��6回では、 認定NPO法人開発教育協会(DEAR)の伊藤容子さんをお招きしています。ポッドキャスト本編はSpotifyApple Podcastで配信しています。

日本国内での開発教育を推進するNPO法人、開発教育協会(DEAR)。同団体の事務局次長、伊藤容子さんは、ワークショップの実施をはじめとするさまざまな事業を担当しています。

with Planetのポッドキャスト「地球で働く!」の第6回では、第5回に続いて伊藤さんをゲストにお招きしています。聞き手として藤谷健シニアエディターと、現在大学3年生の砂川友平さん、シャンティ国際ボランティア会の喜納昌貴さんも参加しています。

ポッドキャスト本編では、前回からさらに話を深掘りし、ボランティアの現場で働くということについてもお伺いしました。記事では本編のごくごく一部を、読みやすいように編集してお届けします。

聞き手を務めるwith Planet藤谷健シニアエディター(左)と、開発教育協会(DEAR)事務局次長の伊藤容子さん=東京都中央区、編集部撮影

ボランティアって「職業」ですか?

─前回もお話ししてくださいましたが、伊藤さんはDEARに参加される以前は教員をなさっていたということですが、いつ、どんなきっかけで国際協力の道に進んだのですか?

私は大学を卒業するころ、「自分が何をやりたいか」がはっきりしていませんでした。大学を卒業し、様々な地域に行き様々な人と出会うなかで、次第に教育を通じて国際的な課題に取り組めるようにしていきたいと思うようになりました。

教育を軸に取り組むために、まずはいわゆる「現場」を知っておくべきだろうと思い、教員になったのです。

─ボランティア団体もさまざまあるということですが、一方で、ボランティアは「職業」なのかという、率直な疑問をもつ方もいらっしゃるかもしれませんね。そこで活動している方すべてが無償で働いていらっしゃるわけではないわけですが、どうしても「ボランティア」という響きは、職業として選ぶ選択肢に入りづらい。伊藤さんが実際にお給料をいくらもらっているのかも、気になります。

遠慮なく聞いてください(笑)。フルタイムで働いている同世代の方々と比べると、どうしても低くなるとは思います。日本で活動するNGOの課題として、特に小さい組織は財政基盤に厳しさを抱えがちな部分もあります。お金については、自分がどんなライフスタイルを望むのか、ということとつながるでしょうね。

シャンティ国際ボランティア会の喜納昌貴さん(左)と、都内大学に通う大学3年生の砂川友平さんが収録に参加=東京都中央区、編集部撮影

─NGOで働く人たちの多くが、他の業種から転職してきているという印象もあります。

DEARでは、ほとんどが転職組ですね。組織も小さいため、即戦力が求められる部分が大きいということもあるかもしれません。とはいえ、もちろん新卒の方もいます。

─転職してNGOに入る方はやはり、何かしらのやりがいを求めてくるのですか?

そうだろうと思います。自分自身もそうでしたから。給与が平均よりも低くとも、小さなことでもあろうとも、なにかひとつでも、社会課題を解決するために自分の仕事を通じて貢献できるという実感があると思っています。(続きはPodcast本編で。Spotify / Apple Podcast

伊藤容子さん

奈良県出身。大学卒業後、英国のセカンダリースクールや中学校教員として勤務の後、英国の大学院にて教育学を学ぶ。帰国後は、中間支援NPOでの勤務を経て、2016年2月から開発教育協会勤務。開発教育協会(DEAR)の事業担当として、ワークショップの実施や、地域での開発教育推進のための事業に携わっている。(DEARウェブサイトから)