バイデン氏、ゼレンスキー大統領を「プーチン大統領」と言い間違える

ワシントン=高野遼
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 バイデン米大統領(81)は11日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に合わせたワシントンでの演説で、ウクライナゼレンスキー大統領を「(ロシアの)プーチン大統領」と言い間違え、慌てて言い直す一幕があった。大統領選に向けて高齢不安を払拭(ふっしょく)したいバイデン氏にとっては、痛恨の言い間違いとなった。

 バイデン氏は、各国首脳と並んでウクライナ支援を再確認する内容の演説を終えると、「皆さま、プーチン大統領です」とゼレンスキー大統領を紹介した。だが壇上を降りかけたところで間違いに気づき、「ゼレンスキー大統領だ。プーチン大統領を倒すことに集中しすぎていた」と慌てて釈明した。

 続いて壇上に上がったゼレンスキー氏が「私は(プーチン氏より)ベターだ」と冗談で受け流すと、バイデン氏はゼレンスキー氏と握手をしながら「あなたはずっとベターだ」と言葉を返した。

 バイデン氏は先月のテレビ討論会で言葉を詰まらせたり、言い間違いをしたりしたことで、大統領選からの撤退を求���る声が民主党内で高まっている。この日は、討論会後に初めて記者の質問を受ける単独会見も予定されており、パフォーマンスに注目が集まっていた。バイデン氏は会見を立て直しのきっかけにしたい思惑だったが、その直前の演説で痛いミスを犯す展開となった。(ワシントン=高野遼)

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この記事を書いた人
高野遼
アメリカ総局
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国際ニュース
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    佐藤優
    (作家・元外務省主任分析官)
    2024年7月12日8時32分 投稿
    【視点】

     この記事はバイデン大統領の内的世界を理解する上で重要です。バイデン氏がゼレンスキー大統領をプーチン大統領と言い間違えたことよりも、その釈明に私は注目します。バイデン氏は、「ゼレンスキー大統領だ。プーチン大統領を倒すことに集中しすぎていた」

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    三牧聖子
    (同志社大学大学院准教授=米国政治外交)
    2024年7月12日9時54分 投稿
    【視点】

    これに続けて、「ハリス副大統領」というべきところを、「トランプ副大統領」と言い間違える痛恨のミスもあった。国民の間には、バイデン大統領の認知能力が悪化していることを知りながら、選挙に影響することを恐れて、巧みに隠蔽してきたのではないか、と側

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