事件を知らない米兵たち、犯罪は「個人の問題」 見えぬ再発防止策
平川仁
米軍基地が集中する沖縄では昨年以降、米兵による性暴力事件が5件起きた。なぜこれほど繰り返されるのか。沖縄本島中部を歩くと、軍隊と住民の暮らしが近接しながらも隔絶した世界があった。
街には、米軍人向けに造られた大ぶりな住宅と地元の民家が向かい合っていた。スーパーに入ると、米軍人と住民が肩を並べる。日常的な光景だ。
「性暴行事件? 全く知らなかった」
嘉手納基地(沖縄市など)所属の空軍兵の被告(25)による性暴力事件が報道され、県内の首長らが強い抗議の意思を示した翌日の6月26日夜。緑やピンクのネオンに照らされた沖縄市の繁華街「コザ」で、ナイキの半袖短パン姿の男性は驚いたように言った。
被告と同じ20代で空軍に所属。数カ月前に米国内の基地から嘉手納に配属され、この夜は食事をとるため基地から出てきたという。
米南部出身。学校が好きになれず、高校卒業後、「給料をもらうため」に入隊した。20年勤めれば毎月支給される退職金が目当てだ。
日本政府は綱紀粛正求めたけれど
スマホで事件の記事を見せる…