原発被災地でリフォーム詐欺 被害者「家に入れると相手ペースに」

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波多野陽 大久保泰
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 東京電力福島第一原発事故の被災地で、屋根の工事が必要などとうそを言って、リフォーム工事料金をだまし取ろうとしたとして、福島県警は11日、住宅リフォーム会社「アップルホーム」社長の田島拓巳容疑者(23)=埼玉県新座市野火止6丁目=を詐欺未遂容疑で逮捕し、発表した。「うそは言っていない」などと容疑を否認しているという。

 今春以降、原発事故の被災地で同一グループによるものとみられる詐欺・詐欺未遂の被害申告が続いており、県警は田島容疑者がリーダーだったとみて調べている。

 田島容疑者の逮捕容疑は、5月下旬、南相馬市原町区の男性宅を訪れ、その屋根について、「中の木が腐っている」「いつ部品が飛んでもおかしくない」などと虚偽の説明をして、工事料金147万4千円をだまし取ろうとしたというもの。

 男性は契約まで結んだが、別の業者に見てもらったところ、工事の必要がないことが分かり、代金を支払わず、警察に被害を届け出た。

 県警には4月以降、相双地域(福島県の太平洋沿岸地域)で同様の被害相談が約50件あったという。うち数件では実際に工事代金をだまし取られた。また、宮城県内でも、同様の被害を確認しているという。

 捜査関係者によると、田島容疑者は、関東地方での住宅リフォーム詐欺事件に関わった業者の関係者だった。(波多野陽)

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この記事を書いた人
大久保泰
南相馬支局長
専門・関心分野
気象・防災、地域活性化、漁業