着岸中の船で爆発 乗組員ら搬送、うち3人が重傷 福岡県苅田町

【動画】苅田町で船爆発7人搬送=加久雅之撮影
[PR]

 福岡県警によると、11日午前9時54分ごろ、福岡県苅田町松原町のUBE三菱セメント九州工場で、「着岸している船が爆発し、負傷者がいる」と消防から連絡があった。乗組員や岸壁の作業員ら7人が病院に搬送され、うち3人が重傷だという。

 県警によると、船は全長約60メートルで、セメントなどの原材料になる土を積んでいた。土は金属製の容器に入っており、それを降ろすために船のハッチを開けた際、爆発。乗組員の一人は「一瞬ピンクの炎が見えた」と話しているという。

 現場近くの自動車部品製造会社の男性従業員(51)によると、事故当時、ドンという大きな音と地響きがあった。「大きな花火のような音だった。近くには工場がたくさんあるので、ガス漏れなどだったら心配だと、職場も騒然とした」という。

 現場の対岸で作業していた、鉄鋼会社の40代男性も「ドーンという音とともに、船の真ん中あたりから、茶色い煙が上がったのが見えた」。爆発後しばらくして、救急車や消防車が来て、ストレッチャーで人が運ばれているのが見えたといい「心配です」と話した。

 県警は、船が積んでいたのは「管理土」と呼ばれるものだとしている。芝浦工業大の伊代田岳史教授(セメント化学)によると、管理土は建設現場の残土などが含まれており、石灰石と混ぜてセメントの原材料になる。土の成分によってはガスを発生させるものもあるという。

 伊代田教授は「密閉状態で運ばれてくる過程で何らかのガスが発生し、ふたを開けた際に一気に外に噴き出して爆風のようになった可能性がある」とみている。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません