米ワシントンで開かれている北大西洋条約機構(NATO)首脳会議は、10日に採択した首脳宣言で、NATO加盟に向けた「不可逆的な道」(irreversible path)を進むウクライナを支持し続けると初めて言及し、加盟に向けた歩みが後戻りすることはないと明言した。中国に対し、ウクライナに侵攻するロシアの「決定的な支援者」になったとの強い危機感も初めて示し、対ロ支援の中止を求めた。
ウクライナはかねて、NATOに加盟して、一国への攻撃を同盟全体への攻撃とみなす「集���防衛」の保障を得ることを悲願としてきた。
一方、ロシアのプーチン大統領は、NATO側にウクライナの非加盟の確約を要求し、拒まれたことなどを2022年2月の侵攻の理由の一つに挙げた。今年6月には、ウクライナによる加盟方針の撤回が和平交渉を始める条件だと主張した。ペスコフ大統領報道官はこの日、記者団の取材に対し、「ウクライナが必ず加盟するという決定は、ロシアの戦略的な敗北が目標の一つだと示している。我が国の安全保障への深刻な脅威であり、効果的な対抗策が必要だ」と反発した。
NATOは2008年以降、ウクライナを「将来の加盟国」と位置づけてきた。今回の首脳宣言は、ロシアがただちにウクライナから撤退し侵攻を終わらせるべきだと改めて指摘。昨年の首脳宣言に記した「加盟国が同意し、条件が整えば加盟招待を出す状況になる」とする姿勢を維持した。「不可逆」という一歩踏み込んだ表現でウクライナへの連帯を強く打ち出しつつも、加盟時期は明記していない。ロシア側の妥協も停戦の糸口もないまま侵攻から2年4カ月が過ぎ、加盟のめどがたたない現状も表している。
NATOは、ウクライナの加…
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