だいち4号、成功の陰で 難化する宇宙事業、見通しづらいコスト増

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高橋豪
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 地球観測衛星「だいち4号」の本格運用が始まった。1日にH3ロケットに載せられて打ち上げられ、計画どおりの軌道に投入された。だいち4号を開発・製造した三菱電機にとっては、昨年のH3ロケットの打ち上げ失敗による「だいち3号」喪失からの挽回(ばんかい)となった。宇宙ビジネスは今後も広がりが期待されるが、コスト増の解決が課題だ。

 だいち4号の開発費は約320億円。最新鋭の機能を備え、地表面に電波を送り、夜間でも悪天候でも観測ができる。わずかな地殻変動や火山活動をとらえることができ、防災、減災につながることが期待されている。

 三菱電機鎌倉製作所(神奈川県)で設計担当部門の課長を務め、3号、4号ともに開発を主導したひとりである笠間縁(ゆかり)さんは、「3号の分も世界に大きく貢献してくれると信じています」と話す��

 内閣府によると、国と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が今後打ち上げる予定の衛星は35基。このほか、通信や放送などに使われる民間の商業衛星は10年で少なくとも280基が計画される(昨年12月時点)。担い手となる民間企業にとって、宇宙事業は大きな商機と映る。

■高い性能を追求したら………

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この記事を書いた人
高橋豪
経済部|電機・製造業担当
専門・関心分野
モビリティー、インフラ、観光、中国語圏
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    藤井涼
    (UchuBiz編集長)
    2024年7月12日10時46分 投稿
    【視点】

    衛星開発はコストが掛かりますが、やはり打ち上げ後に得られるデータによって、そのコストを回収できるだけの“儲かるユースケース”を官民ともに増やしていく必要があると思います。たとえば、JAXAベンチャーの天地人では、衛星データによって漏水リスク

    …続きを読む