「ウクライナ指導部、近く最終決断を余儀なくされる」 元陸将の分析

有料記事読み解く 世界の安保危機

聞き手・牧野愛博
[PR]

 北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議が9~11日にワシントンで開かれ、ウクライナの加盟や支援が議論される見通しです。同国東部ドネツク州ではロシア軍との熾烈(しれつ)な戦闘が続き、ウクライナ軍が2025年春と言われてきた再度の反転攻勢の時期を繰り上げる可能性も取りざたされています。陸上自衛隊東北方面総監を務めた松村五郎元陸将は「ウクライナ指導部は近いうちに最終的な決断を余儀なくされる」との見方を示します。

 ――現在のロシアの戦略をどう見ていますか。

 ロシア軍はウクライナ東部のルハンスク州をほとんど占領しましたが、ドネツク州は東半分程度の占領にとどまっています。ロシアは元々、両州にヘルソン、ザポリージャ両州を加えた4州の併合を宣言しています。ロシア側からすれば、ドネツク州の西半分の占領は、停戦の最低条件と言えるでしょう。

 ――ロシア軍は具体的にどう…

この記事は有料記事です。残り2058文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません