「むしろ中国に足元を見られる」日本のフィリピン接近に元高官が警鐘
中国の海洋進出にさらされる国同士、日本とフィリピンは安全保障面で急接近しています。8日には両国の部隊を行き来しやすくするための「円滑化協定」に署名しました。しかし、防衛省出身で元内閣官房副長官補の柳沢協二氏は「むしろ中国に足元を見られる」と懸念しています。そのわけを聞きました。
――南シナ海のアユンギン礁近海では、中国船によるフィリピン船への衝突などが相次いでいます。日米は中国を牽制(けんせい)しようと、フィリピンと連携を深め��います。
日米は4月の首脳会談や日米比首脳会談、南シナ海での海上協同活動によって、「乱暴な妨害行為は放っておかないぞ」というメッセージを中国に送ったはずでした。
それが抑止力になると思われていましたが、その後も中国の行為はエスカレートし、6月にはフィリピン軍側にけが人が出る事態に陥りました。
つまり、日米がフィリピンと一緒になって中国に牽制しても、中国には効いていないということです。
日本とフィリピンの接近について、柳沢さんは「武力紛争に巻き込まれる懸念」を指摘します。そして「日米一体化」のリスクにも警鐘を鳴らしています。記事の後半で紹介します。
むしろ「妨害行為に対して日…