元パチンコ店は「最高の環境」 川崎市が取り組むストリート文化支援

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稲石俊章
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 かつてパチンコ店だった建物が、ストリートカルチャーの拠点になっている。

 京急川崎駅近くにある「カワサキ文化会館」にいま、若者や学校帰りの子どもたちが集まっている。

 川崎市ではブレイキン(ブレイクダンス)や自転車競技のBMXといったストリートカルチャーが盛んだ。行政としても、施設の整備やイベントの企画、大会の誘致で後押しする。

 会館は2022年8月に開業した。パチンコ店が撤退した後に市が所有者の京急電鉄から無償で借り受けた。「若者文化創造発信拠点」との位置づけだ。

3×3やスケボーのコート

 1階はバスケットボールの3×3やスケートボードができる約150平方メートルのコートのほか、ダンスやダブルダッチ(2本のロープを使った縄跳び)の競技者が練習するとともに教室を開いているエリアも。コートは予約不要で、自由に利用できる。

 毎週水曜日と隔週金曜日はスケートボードデーで、Chees(東京)が教室を開く。教室の前には無料開放や無料体験会もある。

 6月5日の午後。未就学児を対象にした教室では、親に手を持ってもらいながら子どもたちが滑っていた。転倒した男の子が床で仰向けになって足を組むと、「あっ、ブレイキン!」とコーチが笑う。

 幸区の斎藤叶飛(とひ)さん(6)は父親の友人がスケートボードをしているのを見てやってみたくなり、今年3月から教室に通っている。母親の紀子さん(44)は「ここで自由に滑ることができるのは楽しいようだ。毎週心待ちにしている」と話す。

 帰り際、叶飛さんは「次はオーリー(板と一緒にジャンプする技)を教えて」と言って、コーチとグータッチをしてコートを離れた。

運営者は「相乗効果」、その意味は

 Chees代表の北島宗和さ…

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