第4回東京の中学受験、半数が私立生の区も それでも増す公立の役割と課題

有料記事膨張する東京

本多由佳
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 手提げの紙袋に、各校の紹介パンフレットがずっしりと入っていた。

 5月の週末、東京駅近くの多目的施設「東京国際フォーラム」に、小学生とその親が、都内外から詰めかけた。都内の私立中による合同相談会だ。

 約170校がブースに分かれ、来場者に「大学受験が変わっています」「高校で探究型の学びに取り組むために、中学で基礎学力を身につけてもらいます」などと説明していた。この日だけで約2万2千人が訪れたという。

 この時期、都内では、大小問わず各地で私立中説明会がある。さらに、各校の説明会、学習体験会、オープンスクールなども。東京周辺で約200教室を展開する塾「栄光ゼミナール」の藤田利通・入試情報センター責任者は「特に人気校のネット予約は受け付け開始直後に埋まる」と話す。

 都内の中学受験熱が、さらに高まっている。

 模試などを行う「首都圏模試センター」(東京)の推計では、今春の私国立中の受験者数は、主に東京、神奈川、埼玉、千葉の4都県で、過去2番目に多い5万2400人だった。

 中学生全体に占める私立生の割合は、都内は全国1位の25.84%で、平均(7.79%)を大きく上回る(2023年度の国の学校基本調査)。都教育委員会の集計では、2人に1人が私立生という区もある。

東京の中学受験熱は年々高まっており、専門家は東京ならではの要因を指摘します。後半では、地域の公立校が抱える課題についても触れます。

 高まる受験熱の背景には所得…

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