警戒区域に残されたペット、一人芝居で描く 震災で現れた「選別」

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恒川隼
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 ミケの生活は、東日本大震災の後で一変した。まわりに人がいなくなり、自分だけでは日々の食事をするのも難しくなっていった――。福島第一原子力発電所から10キロほどの警戒区域に残されたペットをテーマにした一人芝居劇が11日、彩の国さいたま芸術劇場さいたま市中央区)で上演される。

 劇は「置き去りにされた命『ミケ』~警戒区域に残されたある猫の物語~」。

 主人公のメスの野良猫「ミケ」を通して、震災でいなくなった飼い主を待ち、餌がなくなって飢えながらも生きる多くのペットの様子を描く。

動物を簡単に排除、「強い違和感」 11日にさいたまで公演

 主演は、役者の舞香さん(42)=東京都出身=。演出や脚本も担当する。これまで、中原中也金子みすゞ宮沢賢治という3人の作家の評伝劇や、アイヌ民族に口伝されてきた神謡を本「アイヌ神謡集」にした知里幸恵の19年の生涯を演じた「神々の謡(うた)」など、一人芝居を多く手がけてきた。

 元々動物が好きで、動物が簡…

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