桜町に熊本市庁舎、中央区役所は分棟で 建て替え案、市長が議会説明

杉浦奈実
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 熊本市は24日、建て替えを検討している新市庁舎について、桜町の商業施設「サクラマチ クマモト」に隣接するNTT西日本桜町ビルを候補地として市議会に提示した。大西一史市長が「庁舎整備に関する特別委員会」で、交通の利便性や建て替えにかかる期間などを説明した。

 候補地のNTT西日本桜町ビルはバスターミナルが近く、空きビルのため建て替えにかかる期間も約4年と、現市庁舎周辺に建て替えるより10年ほど短いとしている。概算の事業費は約597億円で、合併推進債などの活用や現市庁舎の跡地利用で実質的な市負担額は約243億円と試算する。

 大西市長は「利便性が高く、災害への対応力に優れた庁舎として整備を行い、現庁舎の跡地利活用を通じ周辺エリア一帯のまちづくりも実施していきたい」と話した。

 市は景観についてもシミュレーションした。本庁舎に必要な面積を確保した場合、熊本城ホールなどから熊本城を望んだ時に景観が悪くなると分析。このため、中央区役所を花畑町別館跡地や市の駐車場などの敷地につくり、本庁舎の高さを抑える案も提示した。

 本庁舎との合築と比べて事業費が膨らむ一方、来庁者が中心市街地を回遊するエリアが広がるとして、分棟案で検討を進めたいとしている。

 庁舎の建て替えを巡り、市はこれまで現庁舎の耐震性能不足や、執務スペース不足などを理由に検討を進めてきた。現在の場所での建て替えを含めた4カ所を本庁舎の対象地としていたが、今回、地権者の意向や現在の利用状況などに照らして考えをまとめたとしている。(杉浦奈実)

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この記事を書いた人
杉浦奈実
熊本総局
専門・関心分野
生物多様性、環境、科学