盲目のシンガー、木下航志さんの才能に気づいた先生 恩返しでコラボ

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松本江里加
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 全盲のシンガー・ソングライター、木下航志(きしたこうし)さん(35)が路上ライブを始めたのは、8歳のころだ。当時、鹿児島市内の盲学校へ通っていた。路上へ連れ出したのは、佐賀県に住む小学校教諭だった。

 木下さんは未熟児網膜症のため生後1カ月で失明。2歳でおもちゃのピアノを弾き始めた。路上ライブで徐々に人気を集め、2006年にメジャーデビュー。ジャズを好み、自由なアレンジで弾き語る姿は「和製スティービー・ワンダー」とも呼ばれる。

 27年ほど前。佐賀県の小学校教諭、宮崎利夫さん(65)は、テレビ番組で全盲の木下さんがピアノを弾く姿に魅了された。テレビ局を通じて連絡を取り、鹿児島市内の木下さん宅を訪ねた。

 木下さんは人見知りで最初は戸惑っていたが、音楽の話で盛り上がるうち、ピアノを弾き始めた。宮崎さんは連弾で参加し、即興のミニライブが始まった。

 「歌いたくなってきた」

 こう言って木下さんは、DREAMS COME TRUEの代表曲「未来予想図Ⅱ」を歌い始めた。

 それまでは母の前でしか歌っ…

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この記事を書いた人
松本江里加
西部報道センター
専門・関心分野
地方創生、子どもの権利、福祉,など