26年前、元英兵捕虜は天皇に背を向けた 「過去を認め、未来へ」

有料記事

ロンドン=藤原学思
[PR]

 天皇、皇后両陛下が22日から、国賓として英国を訪問する。前回の両陛下(現在の上皇后ご夫妻)の国賓訪問は1998年。英国では当時、第2次世界大戦中に旧日本軍が英兵を捕虜にしたことが改めて注目されていた。それから26年。捕虜の代理人弁護士は「過去を認め、そして最も重要なことは、未来の日英関係だ」と語る。

 英政府によると、戦時中、約5万人の英兵が旧日本軍の捕虜となり、約1万2千人が過酷な扱いなどで死亡したとされる。

 98年の両陛下の訪英時は、謝罪や補償を求める声が英国内で大きくなっており、歓迎一色ではなかった。ブレア首相(当時)が「天皇を温かく迎えよう」と異例の声明を出したほどだ。

 両陛下が乗った馬車が通る沿…

この記事は有料記事です。残り794文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    小林恭子
    (在英ジャーナリスト)
    2024年6月20日15時38分 投稿
    【視点】

    非常に重要な記事と思いました。 日本では「戦争」つまり、第2次大戦というと、「昔の話」とされて、8月15日の終戦記念日の前後で特集が組まれるような報道になっていますよね。 でも、英国では第1次及び第2大戦について、頻繁にドラマやドキュメ

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    沢村亙
    (朝日新聞論説主幹代理=国際政治、社会)
    2024年6月21日22時1分 投稿
    【視点】

    最初にロンドンに駐在した1990年代は、英国内には歴史問題に起因した冷ややかな対日感情がまだ残っていた。8月のVJデー(対日戦争記念日)には、やせ衰えた英兵捕虜の写真がタブロイド紙の1面を飾り、いたたまれない気持ちになったものだ。停留所でバ

    …続きを読む
DO YOU KNOW NAGASAKI? アメリカで聞くナガサキと原爆

DO YOU KNOW NAGASAKI? アメリカで聞くナガサキと原爆

原爆の使用は「正当だった」と考える人が多いとされるアメリカ。被爆者と直接対話した人々は、何を感じたのか。[もっと見る]