鏡のような彫刻にうつるのは? ブランクーシ展の「光」を見る

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田中ゑれ奈
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 20世紀彫刻を切りひらいた彫刻家、コンスタンティン・ブランクーシ(1876~1957)の個展「ブランクーシ 本質を象(かたど)る」(朝日新聞社など主催)が、東京・京橋のアーティゾン美術館で開かれている。人物や鳥を抽象化した純粋なフォルムで知られる作家だが、「光」に注目して今展を見ると、ひと味違った味わい方ができそうだ。

 木や大理石、石膏(せっこう)などさまざまな素材や技法を使い分けたブランクーシ。なかでも特徴的、かつ1910年代初頭にあって先駆的だったのが、ブロンズ彫刻の表面を鏡のように磨き上げる手法だ。

 周囲の空間を映し出す彫刻は「見ようとすると視線が滑る」と、同館の島本英明学芸員。「物質性をぬぐい去られた彫刻は外形的なレベルにとどまらず、より超越的なものを見据えるための、ある意味踏み台にすぎない」と話す。

 ブロンズ彫刻「魚」は、飛行…

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この記事を書いた人
田中ゑれ奈
文化部
専門・関心分野
美術、ファッション、ジェンダー