債権者「詐欺だ」SNSやめる(3・11その時そして)イカ王子⑦

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東野真和
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 2023年10月4日、岩手県宮古市の共和水産は、盛岡地裁に民事再生法の適用を申し立て、受理された。

 会社を引き継いだ時からの負債に加え、主力商品の原材料であるイカが記録的な不漁で高騰。一方、他社との競争で価格に転嫁できず、赤字で生産し続けた結果だった。

 金融機関からの融資も受けられなくなっていたところに、長年付き合ってきた取引業者への代金の返済が猶予されなくなってしまった。これまでの未払い分や金融機関からの融資額を合わせ、累積した負債総額は9億1800万円になっていた。

 破産する選択もあったが、専務の「イカ王子」こと鈴木良太さん(42)は「これだけの製造技術や商品力がある会社を簡単につぶしてはいけない」と可能性をさぐることにした。つてを頼り代理人弁護士を探し、再建計画の提出に向けて動き出した。

 10月27日、盛岡市で債権者集会を開いた。融資を受けていた金融機関や支払いを待ってくれていた取引先など約20人が集まり、オンラインからも数人が参加した。

 実質の経営者だった鈴木さん…

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この記事を書いた人
東野真和
釜石支局長|震災復興・地方自治担当
専門・関心分野
震災復興、防災、地方自治、水産業