「向き合わない姿勢こそ問題」マイクオフ、患者らが国に訴えたいこと
環境省の原点とも言える水俣病。その当事者の声を、環境省が自ら遮った「マイクオフ問題」は、1週���を経て大臣の謝罪に至った。対応のまずさには与党内からも厳しい見方が相次ぐ。患者らは8日も「言語道断」と批判した。
8日夕、伊藤信太郎環境相は熊本県水俣市の水俣病情報センターの一室に入ると、患者団体などの代表ら約10人に頭を下げて回った。「環境省が発言中にマイクの音を落とし、大変申し訳ないことをした」と謝罪した。
団体側からは「3分過ぎたからスイッチを切ることは、被害者の声などどうでもよい、と思っているとしか受け止められない」「何十年も水俣病に苦しんできた。その思いを3分で話せとどうして言えるのか」との意見が出た。
伊藤氏は、慰霊式典などが長引き、東京に帰るための航空便の時刻が迫っていたと主張。話をじっくり聞くには「後ろに制限がない形でやらないと」とも述べた。
今回の問題は、水俣病の公式確認から68年を迎えた1日、慰霊式典などのあとに設けられた大臣と団体との懇談の場で起きた。
水俣病被害市民の会の代表…
- 釆沢嘉高
- 西部報道センター|記者キャップ
- 専門・関心分野
- 少子高齢社会、地方創生
- 【視点】
この記事を読んで改めて思いました。水俣病の発生から今回の問題に至る過程には、人間社会の病理が凝縮されています。大義(高度経済成長)が生んだ歪み(公害)が人間の尊厳を脅かし、救済がたらい回しにされた末に、訴えを聞く場すら形骸化し、改めて人間の
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