仮設住宅で70代女性が孤独死「あのとき窓を割ってでも」長男の後悔

有料記事能登半島地震

椎木慎太郎
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 能登半島地震で被災した石川県輪島市仮設住宅で、孤独死とみられるケースが判明した。亡くなったのは70代女性。長い避難所生活を終え、落ち着いた暮らしが見え始めた矢先だった。女性の長男が取材に応じ、「信じられない」と語った。

 輪島市などによると、女性は同市門前町の仮設住宅で5月20日、亡くなっているのが見つかった。県は、今回の地震による仮設住宅での孤独死の判明は初としている。

 長男によると、女性は約15年前に夫を亡くし、輪島市内で一人暮らしをしていた。杖をついていたものの、おしゃべりが好きで明るく優しい人だった。

 元日の地震で自宅が大規模半壊。長女夫婦や孫らと避難所の集会所に身を寄せた後、4月12日に一人で仮設住宅に入居した。「子どもに迷惑をかけたくない」と話していた。

 仮設住宅に入ってからは、長男が週に1~2回、仕事帰りに様子を見に行った。女性は買い物を頼んだり、孫の様子を尋ねたりした。

 長男は5月17日の金曜の夜もいつものように仮設住宅を訪ねた。玄関には鍵がかかり、携帯電話もつながらない。ベランダ側にまわると、レースカーテン越しにテレビがついているのが見えた。

 「寝てるんかな。起きたら折…

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能登半島地震

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