ナンバー取れて「よっしゃ」 107年前のT型フォード、公道を走る

福家司
【動画】公道を走行する107年前のT型フォード=福家司撮影
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 1917(大正6)年式の米国の乗用車T型フォード(2896cc)を徳島県石井町のオート三輪収集家元木和豊さん(71)がレストア(修復)し、20日に町の公道で撮影会を開いた。元木さんはこれまで多くの「旧車」をよみがえらせているが、車齢100年超の車のナンバーを取ったのは初めてという。

 T型フォードは乗用車の大量生産に道を開いたモデルとして知られる。元木さんは、東京のバイク収集家から、90年ごろに入手したというこの車の修復を依頼された。山梨県の展示場に保管されており、状態が比較的良好だったため買い取ったという。

 昨年6月から整備に取り組んだ。107年前のエンジンは長年回していなかったため、固着したピストンを油を流してほぐしていった。燃料が固まってこびりついていた燃料タンクは掃除した。ブレーキの部品が割れていたが、知人の溶接業者に頼んで直してもらった。

 100年超前の車がナンバーを取得するのは容易ではない。徳島陸運支局では木製ホイールの強度が問題になったが、「強度証明」を出してクリア。方向指示器やブレーキ灯を新たに取り付け、専用のバッテリーも搭載。速度計はマイル表示からキロ表示に交換した。

 20日には支援者らが試乗したり、カメラを向けたりするなか、T型フォードは町内の道路を約300メートル走った。

 元木さんは「修復は思ったほど難しくなかったが、ナンバーが取れた時は『よっしゃ』と思った。今の車と異なり、運転は非常に難しいが、最高速度は40キロ出せたので驚いた。年内はパレードなどに参加して一般の道路を走りたい」と話していた。(福家司)

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