旧ジャニーズ性加害問題でTBSHD、再発防止のための実行策公表

中沢絢乃
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 TBSホールディングス(HD)は28日、昨年11月に公表した旧ジャニーズ事務所の性加害問題に関する調査報告書で、局が性加害問題を報道せず、事務所をめぐる圧力や忖度(そんたく)の存在が指摘されたことなどを受け、再発防止のための具体的な実行策を公表した。

 実行策は、調査の外部委員を務めた元検事の弁護士2人が「人権尊重の意識向上」「エンタテインメント業界への働きかけ」「ニュース編集権の独立性確保」などを報告書の中で提言したことを踏まえて策定した。

 具体的には、「芸能事務所をはじめ取引先との会食等では一方的な接待は受けないなど、社内ルールを徹底」や、「TBSグループ行動憲章」に「報道の編集権の独立」に関する内容を追記。さらに、「報道局に『調査報道部』を新設して調査報道を強化」することなどを打ち出した。また、企業活動が人権侵害につながっていないか点検する「人権デュー・デリジェンス(DD)」の着手も盛り込んだ。

 28日の会見で、同HDの佐々木卓社長(64)は「報道機関として責任ある立場なので、着実に実行していきたい」とした。

 性加害問題を巡って��、同HDが昨年、外部委員を含む「特別調査委員会」を設け、局員・元局員ら計125人をヒアリング。報道部門が性加害問題を取り上げなかった点や、編成・制作部門で、事務所をめぐる圧力や忖度に関する証言があったことなどを調査報告書にまとめ、外部委員から受けた9項目の提言とともに昨年11月26日に公表した。報告書と提言の実行策の全文はともに同社の公式サイトで公開されている。(中沢絢乃)

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    松谷創一郎
    (ジャーナリスト)
    2024年2月28日21時18分 投稿
    【解説】

    この提言は9項目からなりますが、注目すべきは提言③と提言⑨になるでしょうか。 まず提言③は、「ニュース編集権の独立性確保、『公平・公正・正確な情報発信』の徹底」です。この掛け声自体は当然の内容ではありますが、それを担保するための具体的な施策

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