トランプ氏の初公判延期、ワシントン地裁 「口止め料」訴訟が最初か
米ワシントンの連邦地裁は2日、2020年の大統領選結果を覆そうとした事件に関するトランプ前米大統領の裁判について、当初3月4日に設定していた初公判を延期することを決めた。新たな日程はまだ設定されていない。トランプ氏が起訴された四つの刑事事件のうち、この裁判が最重要で、初公判が最も早いとみられていた。
この初公判の延期により、ニューヨーク州の裁判所である元ポルノ女優への「口止め料」をめぐる訴訟の初公判(3月25日)が最初になる可能性が高い。
ワシントンの連邦地裁のタニヤ・チュトカン判事は2日、新たな文書で初公判の日程をいったん取り消すと表明した。日程変更の理由は、トランプ氏が「大統領は在任期間中の行動について刑事責任を免責される」と主張し、起訴の棄却を求めているためだ。
連邦地裁は昨年12月にトランプ氏の主張を退けた。トランプ氏は不服として上訴し、控訴裁はまだ判断を下していない。この判断が出るまで、初公判の日程は決まらない見通し。
11月にある大統領選に立候補しているトランプ氏は、共和党の予備選で圧倒的な優勢を保っている。裁判が選挙にどう影響するかは見通しにくいが、トランプ氏は大統領選の後まで公判開始を先送りしたい意向だ。
トランプ氏をめぐるその他の裁判としては、フロリダ州の連邦地裁が扱う、機密文書の持ち出し事件の初公判が5月20日に予定されている。ジョージア州での大統領選介入事件の初公判はまだ日程が決まっていない。(ワシントン=合田禄)
- 合田禄
- アメリカ総局|科学・米国政治担当
- 専門・関心分野
- 科学、医療、気候変動、宇宙開発
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