森友文書の改ざんを認めさせた調査報道 間違いは絶対に許されない

有料記事新聞記者の文章術

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 どうしたら自分の思いや考えを伝える文章を書くことができるだろう。記事を書くことを仕事としている記者でも毎日、頭を悩ませている問題です。この連載では、ベテラン記者たちがテーマごとに、それぞれの考えを語ります。

ゼネラルエディター・野村周

 パーティー収入の裏金化、選挙の買収……。政治不信につながる疑惑が次々に明らかになっています。

 捜査当局の動きをしっかりと報じるのと同時に、朝日新聞では、独自の取材で権力の不正などを掘り起こす「調査報道」に力を入れています。今回と次回は、その記事化のポイントをご紹介したいと思います。

 2018年2月、東京・築地の朝日新聞本社8階の会議室で、取材チームのメンバーは連日議論を重ねていました。

 「この人物の証言はなぜ間違いないと言えるのか」「裏づける物証は何か」

 大阪のメンバーもテレビ会議で参加。ときに議論は数時間に及び、解消できない疑問が少しでも生じればいったん解散し、取材をして数日後にまた集まる。

 そうしたことを何度繰り返したでしょうか。最後に全員が「間違いない」と確認し合い、3月2日の朝刊に「森友文書 書き換えの疑い」のスクープを掲載しました。

 いま読み返してみると、堅苦しい表現が何カ所かあります。ですので、文章術をお伝えするこの欄の題材として適当かと心配にもなります。

文末に取り上げた文章へのリンクがあります

 ただ、すべて理由があるので…

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