ジャニーズ当事者の会「補償がブラックボックスに」 逸失利益も要望

島崎周
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 旧ジャニーズ事務所(SMILE―UP.)の創業者、故ジャニー喜多川氏の性加害問題をめぐり、「ジャニーズ性加害問題当事者の会」は22日、同社が設置した被害者救済委員会に要請書を出したことを明らかにした。被害者への補償について、逸失利益や弁護士費用などを含めるよう求めている。

 救済委員会は昨年12月に補償金額の算定についての文書を公表。その中で「被害の程度・被害の凄惨(せいさん)さによる慰謝料を算定すると共に、後遺障害等の影響についても慰謝料を算定し、その合計額を補償金額として算定する」とし、国内の裁判例だけでなく海外の性加害事案の賠償額なども参照しながら「適正と考える金額の算定を試みた」と説明している。

 これに対し、今回の要請書では「被害者の被害は、慰謝料の対象となる精神的損害にとどまるものではなく、身体の健康を害している被害者は多数存在している」と指摘。「逸失利益を含めた可及的に完全な救済」を求めている。また被害者が弁護士なしで同社や救済委員会を相手に交渉することは困難であると訴え、弁護士費用の補償も求めている。

 当事者の会は昨年から、補償の内容について秘匿条項をつけないことや補償の基準を示すことなどを要望し、話し合いを続けてきたが、拒否されたという。会の代理人の蔵元左近弁護士は「補償の基準がブラックボックスの中でつくられ、表に出ないままに補償が進められているのは残念。救済委員会が真摯(しんし)な職務を遂行することを強く希望する」と話している。

 同社は15日、公式サイトで被害申告した939人のうち、156人と補償内容で合意、125人に補償金を支払ったと公表している。(島崎周)

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この記事を書いた人
島崎周
東京社会部
専門・関心分野
性暴力、性教育、被害と加害、宗教、人権、文化
ジャニー喜多川氏の性加害問題

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