ジャニーズ声明で露呈した矛盾 「みこしの上しか変わらないのでは」

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聞き手・平岡春人
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 故ジャニー喜多川氏による性加害問題で、ジャニーズ事務所は9日夜に「故ジャニー喜多川による性加害に関する一部報道と弊社からのお願いについて」と題した声明を発表しました。声明では、「被害者でない可能性が高い方々が、本当の被害者の方々の証言を使って虚偽の話をされているケースが複数あるという情報にも接している」とし、報道各社に対し、「告発される方々のご主張内容についても十分な検証をして報道をして頂きますようお願い申し上げます」と説明しています。

 事務所の会見にも参加したジャーナリストの神保哲生さんは、こうした今回の事務所の声明は、事務所がこれまで主張してきた被害補償への姿勢とは矛盾する内容で、事務所の信頼も大きく下げる結果になったと指摘します。話を聞きました。

    ◇

 事務所は声明の中で、被害者でない可能性の高い方々が虚偽の話をしているケースがあるとして、「被害者救済のために使用しようと考えている資金が、そうでない人たちに渡りかねないと非常に苦慮している」と述べました。

 被害などの証明ができなければ、補償しない可能性があると受け取られかねない声明です。契約書がないなど、在籍歴を示せない人が、ますます補償の窓口に相談しづらくなります。

 事務所は今月2日の会見で「法を超えた補償」をすると説明しました。それなら、虚偽の可能性がある人を救済から排除することよりも、被害者をできる限り補償から漏らさないことを優先して努めるべきです。会見と矛盾するような声明で、2日の会見への信頼をますます下げました。

 また、声明ではメディアに対…

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この記事を書いた人
平岡春人
文化部|映画担当
専門・関心分野
映画、音楽、人権
ジャニー喜多川氏の性加害問題

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