VRで認知症の人の見え方を疑似体験 古賀の中1に理解深める講座

宮田富士男
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 福岡県古賀市立の中学校全3校で1年生約550人が7、8の両日、認知症への理解を深める講座を受けた。VR(仮想現実)の映像で認知症の人の見え方を疑似体験し、クイズ形式で基礎的な知識を学んだ。

 市が2009年度から進める認知症サポーター養成の一環。市内の子どもが認知症の人を不審者と勘違いして保護者が警察に通報したことをきっかけに、小中学生向けの講座も設けた。

 古賀北中の約190人は8日に受講した。まずVR専用のゴーグルを着けて上下左右に頭を動かして「階段下り」「バス乗車」「錯視」を体験。距離感がつかみにくい状態などを実感できる仕組みで、荒木麟太朗さんは「階段下りは怖い。お年寄りがためらう理由がわかった」と話した。

 認知症の人への対応として①驚かせない②急がせない③自尊心を傷つけない――ことを学んだ。「困っているお年寄りを見かけたら視野に入ってから優しく声をかけたい」と新本真香さん。小柳太雅さんは「自立できている部分を伸ばすサポートをしていきたい」と話した。(宮田富士男)

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