「感染症とワクチンについて専門家の父に聞いてみた」さーたり・中山哲夫
松尾慈子
漫画偏愛主義
なんと分かりやすい! 消化器外科医で3児の母で漫画家、加えてオタクというマルチタスクのさーたりが、その父・感染症の専門家である北里大学の中山哲夫特任教授に、感染症とワクチンについて聞いてみたという本作である。内容を書いたら、そのままタイトルになってしまったぞ。ちなみに、中山特任教授は先日の天声人語にも登場した、ウイルス感染制御の専門家である。
さーたりは、オタク生活と3児の子育てと外科医の日常を描くコミックエッセー「腐女医の医者道」シリーズで知られる。医者一家なのはたびたび登場する両親の姿で知っていたが、まさか父が感染症の専門家とは。
さーたりとその子どもたちが、「じぃじ」に素朴な疑問をぶつける形で進むので、予防接種や感染の仕組みがやさしく語られている。が、「ウイルスって何?」との孫の問いに対し、「生命機能を持った高分子集合体」と答えるじぃじ、やはり専門家だけに説明に妥協がない。
そもそも感染症の原因は何か…