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WWDC「アップルインテリジェンス」以外について語る 石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.568

石川温ケータイ/スマホジャーナリスト

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石川 温の「スマホ業界新聞」

2024/06/15(vol.568)

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《目次》

1.アップルがiOS 18でのRCS対応を正式に発表

—-一方でiMessageはよりリッチ化でAndroidとの意思疎通に大きな壁

2. アップルがOSをアップデートするも「Androidの後追い感」漂う

—-差別化の舞台は「生成AIによる操作性向上」にシフト

3.watchOS 11はバイタルアプリが進化し、健康状態をアドバイス

----長年、不満感じる「時差問題」には解決の目処立たず

4.今週のリリース&ニュース

5.編集後記

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1.アップルがiOS 18でのRCS対応を正式に発表

—-一方でiMessageはよりリッチ化でAndroidとの意思疎通に大きな壁

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今回のWWDC、iPhone的に注目度が高かったのがRCS対応だ。すでにアップルではRCS対応を表明しているが、iOS 18のアップデートに向けて、どんなスタンスで発表するかが個人的に関心が高かった。

実際、基調講演ではiOS 18の機能アップデートを一通り紹介したのち、最後のまとめとして「RCSにも対応するよ」程度の言及でしかなかった。

グーグルにとってみれば、iPhoneのRCS対応により、学生などがiMessageが使えないことで仲間はずれになるのが怖いと言うことでiPhoneばかりを買うことがなくなると期待して、かなりのアピールをしている。一方のアップルとしては、iPhoneからAndroidへの流出の懸念もあるということで、さらっと触れるだけに留まったのだろう。

ただ、今回のiOS 18、メッセージ関連のアップデートを相当、盛り込んでいる。

送られてきたメッセージに対して絵文字で返事をしたり、文字自体のフォントを変えたり、動かしたりといった具合だ。またアップルの生成AIとしてApple Intelligenceを投入しているが、自分の好みの絵文字を作れたりもする。

アップルとしてはiMessageユーザーでしか送れず、見られない装飾を強化することで、iMessageへの囲い込みを強化するのだろう。

iOS 18によってRCS対応し、iOSとAndroidでやりとりができるようになっても、装飾などは省かれた状態で送信されてしまい「せっかく、飾り付けたのにつたわらないのが残念」ということになりそうだ。

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ケータイ/スマホジャーナリスト

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『これからの5Gビジネス』(エムディーエムコーポレーション刊)がある。

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