Reimagine Education 2024: AI とセキュリティの新機能で未来に備える

Reimagine Education 2024: AI とセキュリティの新機能で未来に備える

ペイジ ジョンソン (Paige Johnson)

※本ブログは、米国時間 3 月 6 日に公開された “Reimagine Education 2024: Prepare for the future with new AI and security offers” の抄訳を基に掲載しています。

Reimagine Education のイベントにおいて、マイクロソフトは、新しい機会をもたらし、確実な基盤を築き、学生が将来に備えるために使用できる新たな AI ツールの活用方法を発表しました。マイクロソフトは、Microsoft Copilot をより多くの教育関係者に提供し、教師の時間を節約するために設計された無料の AI 機能を導入すると共に、AI Toolkit を公開します。Learning Accelerators が、広く普及した学習管理システムで利用できるようになり、Speaker Progress と Math Progress のプライベートプレビューが開始されました。Microsoft Defender for Endpoint が、学生のデバイスを保護するためにカスタマイズされ、割引価格で提供されるという新たなオファーも発表しました。

本日のイベントを見逃した方はオンデマンドでご覧いただけます。また、以下の情報をご参考にしてください。

Microsoft Copilot: 教育分野における AI アシスタント

マイクロソフトの AI における進歩は、すべての人がより多くのことを達成できるようにするという企業ミッションに基づき、数十年にわたる研究に基づいて作られたマイクロソフトの責任ある AI 基準に従っています。

世界中の教育者がすでに Copilot を使用して、コンテンツのドラフトや新しいアイデアのブレーンストーミングを行い、最も重要な作業に集中する時間を確保しています。先日、O’Dea High School と Indiana University の教育者から、どのようにして教室内外で彼らをサポートできる AI の安全な「足場」を手に入れたかを直接聞くことができました。Reimagine Education のイベントでは、教育機関によるマイクロソフトの AI テクノロジ活用を支援する Copilot の以下の機能拡張について紹介しました。

商用データ保護機能を備えた Microsoft Copilot は、Microsoft 365 Education の、無償版を含めたすべての製品に組み込まれています。すでに、全教職員と高等教育機関の 18 歳以上の学生向けに提供されており、今春には低学年向けのプライベートプレビュープログラムが開始される予定です。

2024 年 4 月 1 日に、Copilot for Microsoft 365 が、18 歳以上の学生のためのアドオンとして高等教育機関向けに購入可能になります。対象となるためには Microsoft 365 または Office 365 A3/A5 ライセンスが必要です。そして、Microsoft 365 アプリケーション全体の統合により、シームレスなパフォーマンスが実現し、以下のことが可能になります。

  • Microsoft Teams で、すべてのチャット・リモートクラス・会議・通話の常時把握
  • Microsoft Word で、文書の作成・理解・推敲
  • Microsoft Outlook で、受信トレイとフォローアップの管理
  • Microsoft PowerPoint で、アイデアから魅力的なプレゼンテーションへの変換
  • Microsoft Excel で、容易なデータ分析・理解・視覚化

さらに、Copilot の教育機関向けオファーには Customer Copyright Commitment が適用されます。すなわち、教育機関のお客様は、著作権に関するクレームの心配をすることなく、安心してマイクロソフトのサービスをご利用いただけます。

学習の大規模なパーソナライゼーション

マイクロソフトは、Learning Accelerators そして Teams for Education に、学習の大規模なパーソナライゼーションを支援するための以下のアップデートを提供しました。

  • Reading Progress と Microsoft Teams for Education の新機能が、今月末からすべての教育関係者に向けて追加費用なしで提供されます。AI を活用して、評価課題、課題指示、パーソナライズされた読解用文書、学習目標などのコンテンツが教育者の管理のもと作成できるようになります。
  • Reading Coach の AI 機能が強化され、生徒がストーリーを作成し、ストーリーの進行に合わせて自分で進む方向を選ぶことができるようになりました。これにより、生徒の主体性と意欲を高めることができます。この機能はウェブ、Windows アプリ、そして、LMS の統合機能として提供される予定です。Reading Coach の LMS 統合などのラーニングツール統合のプレビュー版にご興味のあるお客様は、aka.ms/LMSIntegrations にアクセスしてください。
  • マイクロソフトの教師用ツール Math Progress は現在プライベートプレビュー中であり、生徒用ツール Math Coach も近日中にリリースされる予定です。これらのツールは AI を活用し、生徒が苦手としている箇所を特定し、数学的問題の解法についてリアルタイムでステップバイステップのコーチングを提供します。

AI Navigators のテクノロジ活用によるインパクト

イベントでは、AI Navigators の紹介もさせていただきました。州政府、教育省、大学、幼稚園から高���までのお客様が、マイクロソフトの AI ツールやソリューションを活用して学生の将来に向けた準備を進めている事例を紹介しました。これらの事例は、AI テクノロジが優れた教育者の手に渡れば、学生の学びに与える真のインパクトをさらに増強できることを示しています。

Wichita Public Schools in Kansas は 47,000 人の生徒と 5,600 人の教育者・管理者を抱えています。Microsoft Copilot は、教師が最も望んでいるもの、すなわち生徒それぞれにもっと集中できるようにする時間を提供し、より多様な学習体験を教室にもたらしています。

The University of South Florida は、Copilot for Microsoft 365 を使用して教員のワークフローを高速化し、Help Desk Bot といった独自ソリューションを開発しています。以前は、ヘルプデスクのチケットをすべて確認する必要があり、IT チームの対応に数時間を要していました。今では、応答時間は数秒単位です。また、教員はより多くの作業を短時間で行うことができるようになりました。ドキュメントの照会や要約を数秒で行い、新しいプロジェクトや学生との関係の構築に費やす時間を増やすことができるようになりました。

California State University San Marcos は、Microsoft Dynamics 365 Customer Insights と Copilot を使用して、データ収集の課題を克服し、学生を個別にサポートしています。学生、職員、教員、外部パートナーとのコミュニケーションを一元化し、学生とのパーソナライズされた対話にデータを有効活用できるようになりました。

また、Azure OpenAI Service を活用したパートナー企業 PowerSchool と Anthology の注目すべき事例も紹介しました。The University of Leeds は、Anthology の AI Design Assistant を使用し、教師が迅速かつ容易にコース構成や評価課題などを作成できるよう支援しています。また、Colorado Springs School District 11 は、PowerSchool の AI 機能を活用することで、教材作成にかかる時間を削減し、生徒のニーズとエンゲージメントに集中できるようにしています。

より深い学習体験

また、リーダーや教育者のエンゲージメントを深め、AI リテラシーを向上させるための新しいリソースも発表しました。

  • The Microsoft Education AI Toolkit は、教育機関のリーダーが自校の AI 計画を策定するために利用できる無料のリソースです。AI ソリューションの評価と導入に役立つ事例、ケーススタディ、導入マニュアルにより、作業開始のハードルを下げられるよう支援します。
  • マイクロソフト、パートナー企業、および、学術界による新たな機会と課題に関する最新の洞察については、AI in Education Report をご覧ください。
  • Minecraft AI Prompt Lab は、教師が教育ツールとして Minecraft Education を創造的に活用するために必要なスキルと知識を身につけ、Microsoft Copilot を活用して教育能力を高めることを目的としています。
マイクロソフトの新しいセキュリティ製品について議論するペイジ ジョンソンとコリー リー (Corey Lee) (マイクロソフト Security Chief and Technology Officer)
マイクロソフトの新しいセキュリティ製品について議論するペイジ ジョンソンとコリー リー (Corey Lee) (マイクロソフト Security Chief and Technology Officer)

マイクロソフトのツールによる生徒と情報の安全の保護

セキュリティの領域では以下を発表しました。

  • 学生のデバイスを保護するために設計された新しい Microsoft Defender for Endpoint が、Microsoft 365 A5 をご利用のお客様に近日中に割引価格で提供される予定です。
  • Microsoft Copilot for Security は、セキュリティプロフェッショナルや IT プロフェッショナルのスキルセットを強化し、より多くのコラボレーション、より多くの情報、より迅速な対応を支援する、業界初、かつ、唯一の生成 AI ソリューションです。2024 年 3 月 13 日に開催される Microsoft Secure イベントで、Microsoft Copilot for Security の最新情報を入手してください。
  • 学校の指導者、教育関係者、学生、さらには、その家族が、教育環境にいるときに適切な判断を下せるよう無料のセキュリティ研修を実施します。

これらの新しいセキュリティオファリングは、幼稚園から大学までの教育機関にすでに導入されています。たとえば、Fulton Country Schools は、2021 年 12 月のランサムウェアによる脅迫の後、Microsoft Defender により地域の指導者、職員、学生に信頼を与えることができています。同様に、Newington College は 4 つのキャンパスに学生を抱えており、そのデータを保護することが大きな課題になっています。Microsoft 365 Education A5 により、セキュリティ環境の全体像を把握することができます。万一アカウントが侵害された場合には、Microsoft Defender や Microsoft Sentinel などのツールが、データ、サーバー、ワークステーションを安全に保ち、管理し、パッチを適用できるよう支援します。

ペイジ ジョンソン(マイクロソフト Education 担当バイスプレジデント)とクリス レイクダル (ワシントン州教育長)
ペイジ ジョンソン (マイクロソフト Education 担当バイスプレジデント) とクリス レイクダル (ワシントン州教育長)

マイクロソフトと変化する仕事の世界

マイクロソフトのスポンサーによる IDC InfoBrief の最新の調査結果、そして、マイクロソフトの New Future of Work レポートでは、AI に対応できるワークフォースの必要性がすでに高まっていることが裏付けられています。今日の新社会人には、Microsoft Copilot などの AI テクノロジを使いこなし、教室からキャリアへと進んでいくことが期待されています。

私は、ワシントン州教育長のクリス レイクダル (Chris Reykdal) 氏と、責任ある AI の導入について興味深い対話を行いました。ワシントン州の学生を AI を活用した仕事の世界に備えさせる必要性が認識され、AI に関する学年ごとの期待レベル、教師の専門的能力開発、教育機関の方針と実践、AI 導入のための主要リソースなどについて、教育システムの一部を再構築するために教育指導者のグループが収集されました。

Reimagine Education をオンデマンドで視聴し、最新情報を入手してください!

なぜ再構築が必要か?

教育を再構築するには今が絶好の機会です。皆さまが、AI が教育にもたらす可能性を高く評価し、それを活用する準備ができていることを願っています。皆さまが日々発揮している情熱、粘り強さ、創意工夫に刺激を受けています。次世代のリーダーやイノベーターの育成の取り組みに感謝いたします!

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