:scope

:scopeCSS擬似クラスで、セレクターが選択する対象の参照点である要素を表します。

css
/* スコープとなる要素を選択 */
:scope {
  background-color: lime;
}

どの要素が :scope に一致するかは、それが使用されるコンテキストによって変わります。

  • スタイルシートのルートレベルで使用する場合、 :scope:root と等価であり、通常の HTML 文書内の <html> 要素に一致します。
  • @scope ブロックの中で使用した場合、 :scope はブロックの定義するスコープのルートに一致します。これは @scope ブロック自身からスコープのルートにスタイル設定を適用する方法を提供します。
  • DOM API 呼び出し(querySelector(), querySelectorAll(), matches(), Element.closest() など)で使用した場合、 :scope はメソッドを呼び出した要素を選択します。

構文

css
:scope {
  /* ... */
}

:scope:root で代用

この例では、スタイルシートのルートレベルで使用した場合、 :scope:root と等価であることを示しています。この場合、指定された CSS は <html> 要素の背景をオレンジ色に着色しています。

HTML

html
<html></html>

CSS

css
:scope {
  background-color: orange;
}

結果

:scope を使用して @scope ブロック内のスコープルートにスタイル設定

この例では、 2 つの別個の @scope ブロックを使用して、それぞれ .light-scheme.dark-scheme クラスを持つ要素内のリンクと照合しています。また、 :scope がスコープルート自体を選択し、スタイル設定を提供するために使用されていることに注意してください。この例では、スコープルートは <div> 要素であり、それらにクラスが適用されています。

HTML

html
<div class="light-scheme">
  <p>
    MDN には、
    <a href="/ja/docs/Web/HTML">HTML</a>, <a href="/ja/docs/Web/CSS">CSS</a>,
    <a href="/ja/docs/Web/JavaScript">JavaScript</a>
    に関するたくさんの情報が含まれています。
  </p>
</div>

<div class="dark-scheme">
  <p>
    MDN には、
    <a href="/ja/docs/Web/HTML">HTML</a>, <a href="/ja/docs/Web/CSS">CSS</a>,
    <a href="/ja/docs/Web/JavaScript">JavaScript</a>
    に関するたくさんの情報が含まれています。
  </p>
</div>

CSS

css
@scope (.light-scheme) {
  :scope {
    background-color: plum;
  }

  a {
    color: darkmagenta;
  }
}

@scope (.dark-scheme) {
  :scope {
    background-color: darkmagenta;
    color: antiquewhite;
  }

  a {
    color: plum;
  }
}

結果

JavaScript における :scope の使用

:scope 擬似クラスが有用だと示されるのは、すでに受け取っている Element の直接の子を取得する必要がある場合です。

HTML

html
<div id="context">
  <div id="element-1">
    <div id="element-1.1"></div>
    <div id="element-1.2"></div>
  </div>
  <div id="element-2">
    <div id="element-2.1"></div>
  </div>
</div>
<p>
  選択された要素の ID:
  <span id="results"></span>
</p>

JavaScript

js
const context = document.getElementById("context");
const selected = context.querySelectorAll(":scope > div");

document.getElementById("results").innerHTML = Array.prototype.map
  .call(selected, (element) => `#${element.getAttribute("id")}`)
  .join(", ");

結果

context のスコープは idcontext である要素です。選択される要素は、そのコンテキストの直接の子である <div> 要素、すなわち element-1element-2 です。

仕様書

Specification
Selectors Level 4
# the-scope-pseudo

ブラウザーの互換性

BCD tables only load in the browser

関連情報