ノック、フリー打撃、筋トレ… 練習は1日1種類、昨夏は埼玉16強

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山田みう
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 平日の授業を終えた細田学園の選手たちが校舎から少し離れた野球グラウンドに自転車や歩きで集まってきた。

 「ノック!」。準備が整った午後4時40分ごろ、藤田隼太郎主将(3年)が声をかけた。選手たちはそれぞれの守備位置につき、シートノックが始まった。この日のメニューはノックのみ。6時過ぎの練習終了までひたすら守りの確認をした。

 細田学園の練習メニューは、原則1日1種類。フリーバッティングだけの日もあれば、シートバッティングだけ、ウェートトレーニングだけという日もある。

 丸山桂之介監督(72)によると、短時間で集中して取り組むことを突き詰めて考えたときに、そうした結論に至ったという。

 46年間、県内の高校で野球を指導してきた丸山監督。「昔は足し算の練習だったが、今は引き算の練習を意識している」と話す。かつては毎日長時間の練習で、ノック、バッティング、ランニングと、数種類のメニューをこなすのが当たり前だと思っていた。しかし、2014年、細田学園の野球部の創部と同時に監督に就いたころから考えが変わった。

 当時のメンバーは11人で、そのうち4人が野球未経験者だった。「そんな子たちに長い時間練習させたら、辞めちゃいます」。朝練はなく、平日は準備や片付けも含めて午後4時半から6時半ごろまでの2時間程度にとどめた。

 その後、部員が増え大会で勝…

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この記事を書いた人
山田みう
さいたま総局|高校野球・県警担当
専門・関心分野
教育、文化