西山女流三冠、弟子にも刺激 戦える喜びを忘れずに

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杉本昌隆八段の棋道愛楽

 西山朋佳女流三冠が7月4日の朝日杯将棋オープン戦1次予選で阿部光瑠七段に勝利。規定により棋士編入試験の受験資格を手に入れました。

 棋士編入試験は奨励会や三段リーグとはまた別の、棋士の資格を得るための規定です。直近の公式戦で「10勝以上、勝率6割5分以上」を満たすことが条件。西山女流三冠はこの阿部戦の勝利で13勝7敗となり、見事にそれをクリアしました。

 現在、福間香奈女流五冠とともに女流棋界を牽引(けんいん)する西山女流三冠。2人に共通するのはどちらも振り飛車党というところでしょう。現在の将棋界や男性棋戦は居飛車全盛だけに、今回の西山女流三冠の活躍には大きな価値があります。

 どうしても「女性の挑戦」という目で見られがちですが、男性女性関係なく、この勝ちっぷりは素晴らしい。西山女流三冠は「振り飛車党の期待の星」の一人です。

 棋士編入試験受験の意思は、この対局後に表明されました。対戦相手の若手棋士5人は若さと勢いを兼ね備えた強敵ばかり。将棋界において、注目の番勝負がまた一つ増えました。

 棋士への道を想像すると、やはり私は奨励会員の顔が真っ先に浮かびます。私の門下生には三段の弟子が3人、それ以外にも5人の奨励会の弟子がいるからです。

 奨励会にいる若者にとって…

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