無理なダイエット「絶対ダメ」 元長距離ランナーが小学生に講演

鈴木裕
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 無理なダイエットは、ジュニアのアスリートの体にどんな悪影響を与えるのか。元長距離ランナーで、自らも過度な食事制限による体調不良を経験した國立華蓮(こくりゅうかれん)さん(23)が6日、三重県朝日町で小学生の陸上選手たちに正しい食事の大切さを伝えた。

 愛知県一宮市出身の國立さんは、中学、高校時代から陸上の中・長距離ランナーとして活躍。高校卒業後は女子駅伝強豪の実業団パナソニックに進んだが、体調不良や疲労骨折が重なり2年で引退。現在は、椙山女学園大(愛知県)で心理学を学ぶ一方、ジュニア選手のサポートや、モデルの活動もしている。

 「ジュニア期の身体づくり 食事と強い土台づくりの大切さ」が講演のテーマ。國立さんは、夏の全国中学校体育大会出場を果たした中学2年の冬、「体が重いな」と感じたことをきっかけに減量を始めた。夜の食事を減らし、揚げ物など脂質が多い食べ物やお米やうどんのような炭水化物を避ける生活を高校2年の冬まで続けた結果、体重は減ったものの、貧血や無月経、低血糖といった体調不良に陥り、結果的に選手生命を縮めることになったという。

 國立さんは「ジュニアのアスリートにとって、無理な減量は絶対にダメ。今だけの(競技の)結果を求めるのではなく、体の土台づくりを大切にして」と呼びかけた。

 講演後、國立さんは「ジュニアの選手、とくに女子の選手の体に対する知識が乏しく、無理な体重制限を強いる陸上の指導者も多い。成長期の体づくりの大切さを発信していきたい」と話した。

 講演は、朝日陸上少年団が企画し、小学3~6年生約30人が聴いた。指導者の後藤勝則さん(日本陸上競技連盟公認ジュニアコーチ)は「5年生の女子から『ダイエットしなければ』という言葉を聞き、正しい知識の必要性を感じた。講演を通して、食べることの大切さ、体づくりの大切さを学べたと思う」と話していた。(鈴木裕)

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この記事を書いた人
鈴木裕
四日市支局長
専門・関心分野
地方行政、教育、地方経済