昔は男性も触れていた「産みの苦しみ」 苦痛減らすためにできること

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聞き手 編集委員・塩倉裕
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日本ではかつて、男性が出産の現場で手伝うことも珍しくなかった――。そんな意外な事実を、医療社会学者の白井千晶さんは指摘します。「産みの苦しみ」から男性が遠ざかった現代に、静かに広がる立ち会い出産。苦痛を緩和するためにできることは何でしょう。

 女性が分娩(ぶんべん)をする場面にパートナーの男性らが一緒に参加する「立ち会い出産」は、日本でも珍しくなくなってきています。

 立ち会いを経験した男性の多くが、出産はこんなに苦しい作業だったのかと認識を新たにしています。私は、助産所の事務係として働きながら、リプロダクション(生殖)をめぐる社会学研究をしてきました。

 歴史を振り返って分かるのは、実は日本で男性が出産の現場から排除されていたのは比較的短い一時期だったという事実です。昔は自宅出産が一般的で、取り上げばあさんと呼ばれた立ち会い者だけでなく、男性家族や近隣住民らが手伝うこともありました。

出産現場から排除された男性

 江戸時代の絵画には、妊婦の…

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この記事を書いた人
塩倉裕
編集委員|論壇・オピニオン担当
専門・関心分野
論壇、オピニオン、調査報道