停滞するイラン経済、保守票も改革派新大統領へ 制裁解除なお不透明

有料記事

聞き手・真野啓太
[PR]

 イラン大統領選挙で改革派のペゼシュキアン元保健相が勝利しました。最高指導者を頂点とする現体制を支えるのは保守派と言われる中で、保守強硬派のジャリリ元最高安全保障委員会事務局長を破ることができたのはなぜか。田中浩一郎・慶応大学教授(イラン政治)に聞きました。

 ペゼシュキアン氏の勝利からは「現状を変えなければならない」というイランの有権者の切迫感を見ることができる。

 米トランプ政権が核合意から離脱し、経済制裁が復活した2018年以降、イランでは激しい物価上昇が起きている。最高指導者ハメネイ師は「抵抗経済」を合言葉とし、ライシ政権は国内産業の発展を重視してきたが、市民の暮らしは上向かず、閉塞(へいそく)感に包まれたままだ。 

ペゼシュキアン氏の道のりが険しい理由

 同じアプローチをこの先も続…

この記事は有料記事です。残り703文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
真野啓太
国際報道部

戦争、災害、ナショナリズム、テクノロジー