「はしご外します」 発破掛け、脚光浴びたパラスポーツ

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後藤遼太 河崎優子
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 パラリンピックという言葉は知っているけど、どんな競技があるんだっけ? 今より障害者スポーツへの認知度がずっと低かった時代がありました。裏方としてパラリンピックに関わり続けてきた東京都障害者スポーツ協会の延與(えんよ)桂会長(62)に、東京パラリンピックが日本社会にもたらしたものと、50日後に開幕を控えたパリ・パラリンピックへの思いを聞きました。(後藤遼太)

幸せを求め続けるとは

 パラアスリートたちと出会い、人生観が変わりました。人間誰しも、年を重ねれば体が衰えていくかもしれない恐怖がありますよね。

 パラアスリートは「やりたいこと」の実現に向けてすごく努力して、楽しんでいる。その姿を見ると、自分が何かしら障害を抱えるようになっても幸せを追求することをあきらめちゃいけない。それをできる社会にしたいと強く思います。

 高齢化社会では、年を取ればみんなどこかしら悪くなります。脚かもしれないし、目かもしれないし、耳かもしれないし。障害がある人と無い人は、きっぱりと区別できるものではありません。障害者が活動しやすい社会にするということは、すべての人に暮らしやすい社会でもあるのです。

 東京パラリンピックの後、「障害者スポーツを初めて見たよ。本当に面白いね」と色々な人が声をかけてくれました。各自治体でも、定期的に障害者スポーツのイベントや事業が開かれるようになり、障害者がスポーツに触れる機会が圧倒的に増えました。

「どうせはしご外すんでしょ」

 2014年、東京都にオリン…

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この記事を書いた人
後藤遼太
東京社会部|五輪・平和担当
専門・関心分野
平和、戦争、憲法、日本近現代史