道後温泉をブレンドする「バリスタ」公務員 お客様のために守るもの

有料記事道後で生きる

神谷毅
【動画】約5年半ぶりに営業を再開する道後温泉本館=佐藤慈子撮影
[PR]

 シャーッ、ブォン、ブォン……。地中深くからくみ上げられたお湯が配管を通っていく。

 機械の音なのに、気のせいだろうか、柔らかい。

 ここは松山市道後温泉本館を見下ろす高台にある「第2分湯場」。温泉を管理する市の道後温泉事務所の設備だ。

 湯量を測る透明な配管の中で、窓から漏れる明かりを受けたお湯が、わずかに光った。このお湯はいった���何年ぐらい地の底にあったのだろう。数年、いや数十年か。

 「本館の浴槽で42度ぴったりになるよう、さまざまな温度の源泉をミックスして送り出すのが私の仕事です」

 市の職員である「汽缶士」の須賀弘明さん(46)が説明してくれた。

「0.1度の違いでも分かる」常連さん

 道後温泉の源泉は1号から2…

この記事は有料記事です。残り1340文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    杉田菜穂
    (俳人・大阪公立大学教授=社会政策)
    2024年7月7日3時6分 投稿
    【視点】

    松山市内を歩いていると、句碑や俳句ポストの多さに驚く。この記事にある道後温泉も俳句も、松山の人々の生活に溶け込んでいるような気がする。道後温泉本館や子規記念博物館のあるエリアは、その象徴的な存在だ。

    …続きを読む