中絶のために州境を超える米の女性たち 22年最高裁判決の余波

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Soumya Karlamangla/The New York Times 翻訳=大牟田透/朝日新聞GLOBE編集部
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How Many Abortion Seekers Are Traveling to California

 米連邦最高裁が「ロー対ウェード訴訟」の判決(訳注:中絶を憲法上の権利と認めた1973年の判決。原告の「ロー」は仮名)を2022年6月に覆し、南部を中心とする諸州が人工妊娠中絶を全面的に禁止した後、多くのアメリカ人が州境を越えて中絶手術を受けるようになった。

 中絶の権利を支持する研究機関「ガットマッカー研究所」がまとめた最新データによると、判決が覆された翌23年の1年間で、中絶手術や中絶薬を求めて州外へ移動した患者の数は、19年の2倍に増加していた。記録された中絶のほぼ5分の1が、州をまたいだ移動を伴うものだったという。

 「通常なら診療所で10分もかからずできる処置のために、何百マイル、何千マイルも旅をする人々を私たちは受け入れている」と、エイミー・ハグストロム・ミラー氏は語る。ミラー氏は、メリーランド州、ミネソタ州、ニューメキシコ州、バージニア州でクリニックを運営する「ホール・ウーマンズ・ヘルス[Whole Woman’s Health]」の創設者だ。「中絶以外の医療処置のために、そんなことをする人はいないのに」

アリゾナ州ではなんと160年前の中絶禁止措置が復活しかけました。そのとき、カリフォルニア州では……。

 カリフォルニア州は、中絶希…

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