安全に日常生活を送るために気をつけるべきこととは何か。心理学者の内藤誼人さんは「人間はささいなことで心理的に影響を受けやすい。たとえば赤は人を挑発する色なので、赤い車に乗っているとあおり運転の被害に遭うリスクが高くなる」という――。

※本稿は、内藤誼人『すぐに実践したくなる すごく使える社会心理学テクニック』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

白、赤、黒の車
写真=iStock.com/hxdbzxy
※写真はイメージです

暑い都市ほど凶悪犯罪の件数が多くなる

温暖化の影響なのでしょうか、最近の夏は本当に暑くなりました。連日35度を超える猛暑日も当たり前になりましたし、身体中が汗まみれで、不快な思いをする人も少なくないでしょう。

暑いと、それだけでイライラするものです。

ほんのささいなことにも腹が立ちやすくなります。

普段はとても理性的な人なのに、暑い日にはその理性が働かず、気に入らない人がいると、心の中で「刺し殺してやろうか」と物騒なことを考えることがあるかもしれません。

だれでも暑いとイライラするということからすると、ひょっとして気温の高さと犯罪率にも関係があったりしないのでしょうか。

実は、あるようです。

米国ミズーリ大学のクレイグ・アンダーソンは、1950年から1995年までのアメリカの50の都市の年間平均気温と犯罪率を調べてみました。

すると、暑い都市ほど、凶悪犯罪(強盗、殺人)の発生件数が多くなることがわかりました。