オルバン政権のブレーンに聞いた「なぜハンガリーは親ロシア外交を続けるのか」
政治評論家のサバドシュ氏はオルバン首相について、「2010年の首相再任を境に、民主主義を欠いたままでも経済的に発展するロシア、中国を見て、関係を強化し始めた」と語る (C)Gints Ivuskans / Shutterstock.com
欧州連合(EU)加盟国で唯一、親ロシアの立場を取るハンガリー。西側諸国の大勢に背いてまで、独自の姿勢を取る理由は何なのか。今年(2023年)5月、同国の首都ブダペストを訪ね、 オルバン・ヴィクトル首相 の外交問題ブレーンであるウグローシュディ・マールトン首相府次官補(39)に、政府の立場を聞くとともに、政府に批判的な政治評論家のサバドシュ・クリスティアーン氏(49)らにも話を聞いた。(文中の名前は姓、名の順) ハンガリーはロシアのウクライナ侵略に関して、違法で正当化できないと批判しているが、対ロシア制裁を強化してきたEUの中で、制裁がガスや石油に拡大することに反対してきた。 また、対ウクライナ武器支援に、消極的な立場を取ってきた。 2022年7月21日には、シーヤールトー・ペーテル外相がモスクワを訪問し、天然ガスの供給拡大を要請した。8月、ロシアは追加供給を承諾した。
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三好範英