東京都知事選挙きょう投開票…雨の中、首都の未来像や政策など各候補者が最後の訴え
過去最多の56人が立候補した東京都知事選(7日投開票)は6日、17日間にわたる選挙戦の最終日を迎えた。「子育てしやすい街に」「都民に豊かな暮らしを」――。各候補者は繁華街に繰り出し、最後の訴えに声をからした。 【一覧】立候補した56人(写真とプロフィル)
都内はこの日夕方、突然の豪雨に見舞われた。3選を目指す現職の小池百合子候補(71)は雨が弱まるのを待ち、予定より30分遅れの午後5時半頃から、豊島区の池袋駅前で最後の街頭演説を始めた。同区は衆院議員時代の地盤で、地元や周辺の区長も駆けつけた。
演説では、待機児童を96%削減したことや、高校授業料を実質無償化した実績をアピールし、「これからも子育てがしやすい街にしていく」と訴えた。災害対策にも重点を置く考えを示し、「様々な激甚災害に備える。危機管理対応はお任せいただきたい」と強調。「都民の命と暮らしを守っていく」と声を張り上げた。
途中で雨脚が強まり、演説は普段より大幅に短くなった。小池候補はその後、都庁に戻り、豪雨の被害が出ていないか情報収集などにあたった。
前参院議員の蓮舫候補(56)は、新宿駅前(新宿区)で、雨が上がった後の午後7時半頃から最後のマイクを握った。「みなさんと始める東京都を、私は作り上げていきたい」と都政の一新を訴えた。
演説では、小池都政の批判を強調した。都庁舎の壁面を活用したプロジェクションマッピング事業について、契約過程が不透明だと指摘し、「政官業の癒着が疑われる」と訴えた。
一方、公約に掲げた「若者支援」にも時間を割いた。若者の手取り収入を増やすことが少子化対策などにつながるとし、「子供が安心して大人になれる街にしていく」とアピールした。
会場には、シンボルカラーのピンク色のTシャツなどを着た聴衆も多く集まり、蓮舫候補が声を張り上げる度に、「そうだ!」とかけ声と拍手がわいた。
広島県安芸高田市前市長の石丸伸二候補(41)は東京駅前(千代田区)を最後の演説場所に選んだ。午後7時過ぎ、石丸候補を乗せた選挙カーが到着すると、大勢の聴衆から拍手や「伸二コール」がわき起こった。