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「お箸上手だね」でバカにされてる気分に…米国人女性が日本で言われてモヤッとした褒め言葉

 アメリカ人のベス・メイヤー・ヤマムロさん(63歳・女性)は、子どもの頃から日本文化に憧れていたのだそう。
ベス・メイヤー・ヤマムロさん(63歳・女性)

ベス・メイヤー・ヤマムロさん(63歳・女性)

 日本語や日本文化に触れる機会が多く、その魅力に惹かれて大学ではアジア研究の日本政治を専攻。25歳のときにようやくチャンスを得て、来日します。以来、日本とアメリカを行ったり来たりしながら計8年は日本で生活してきました。  ベスさんは日本で暮らすなかで、「日本人から褒められる」シーンで違和感や不快感を抱くことが多かったといいます。いったいどういうことなのでしょうか。

「鼻が高い」「もち肌」容姿へのコメントが謎

 まずよく言われたのが、「鼻が高いね」「頭が小さい」「もち肌」……などなど、容姿に関するコメント。 「『鼻が高い』は、1年くらい意味がわかりませんでした。『高い』は『上』という意味でしょう? 上についている? どういうこと? と。あるとき、横を向いているときに言われて、『ああ! 高さがあるということか』と分かったんです。 『頭が小さい』も、知恵が足りないということなのかと悩みました。私は肌が弱く日焼けできないのですが、『もち肌』は、肌の病気のことを言われているのかと思っていたんです」  日本人は、「鼻が高く」「顔が小さい」「色白で肌のキメが細かい」人が美しいイメージがあるので、間違いなく褒め言葉ですよね。でも容姿に関するコメントは、職場でNGなのはもちろん、相手がどう受けとるかわからないので、避けた方がよさそうです。  そもそも多様な人種が暮らす国では、一定の美の基準が存在しません。肌の質にこだわるのも、東アジア特有なのでは。また、見た目を褒められたところで、なんて返事をしたらいいのかわからないという事情も。「ありがとう」で会話終了? 相手が外国人だからという問題ではないかもしれません。

「ハーフだから美人だね」に娘は傷ついた

「私は日本人の夫と結婚したので、子どもたちは、いわゆるハーフです。でも『ハーフだから美人だね』と言われることに、娘はとても傷ついています。本人が努力したことではないからです。褒めるなら、服装、スタイルなど、本人の努力やセンスがかかわることのほうがいいですね」  日本人はいまだに“白人コンプレックス”があり、中には「ハーフの子どもを産みたい」という憧れを持つ人もいます。また、「ハーフみたいだね」はほとんどの場合褒め言葉として捉えられます。でも出自や生まれ持った容姿は自分で選ぶことができない部分。褒められても嬉しくない、傷つくという人も少なくなさそうです。  ハーフに対する特別視は、そもそも西洋人への特別視が原因なのかもしれません。ベスさんが来日した80年代後半は、まだまだ日本に住む外国の人はとても少なかったです。
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何度も同じことを言われるとイライラしするのは皆同じ
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